車のエンジンがかからない原因は?症状別の対処法と修理費用を解説
2026年09月20日
車のエンジンがかからない原因には、バッテリー上がりのほか、セルモーターなどの部品の故障や、操作手順の誤りなどがあります。
自分で対処できるケースもあれば、ロードサービスや整備工場への相談が必要な場合もあるため、症状に応じて判断することが大切です。
この記事では、車のエンジンがかからない原因と対処法、修理費用の目安、日常的にできる予防策について解説します。
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- 主な原因:バッテリー上がりやセルモーター、オルタネーターの不具合など
- その他の原因:操作ミスやガス欠でエンジンがかからないケースもある
- 備え:ジャンプスターターを常備する、ロードサービスの連絡先を把握しておく
車のエンジンがかからない主な原因とは

車のエンジンがかからない原因には、バッテリー上がりやセルモーター・オルタネーターの故障、点火系・燃料供給系の異常、ガス欠、操作ミスなどがあります。
原因によって対処法が異なるため、症状に応じて原因を確認することが大切です。
バッテリー上がり・劣化
バッテリー上がりやバッテリーの劣化は、エンジンがかからない原因として特に多いトラブルです。
実際バッテリー上がり(過放電バッテリー)は2025年度のJAFロードサービス出動理由の1位に挙げられおり、起こりやすい車のトラブルのひとつといえます。
バッテリーが上がると、エンジンを始動するセルモーターへ十分な電力を供給できません。
ヘッドライトや室内灯の消し忘れのほか、短距離走行の繰り返しや、長期間車に乗らなかったことによる放電などが原因になります。
また、バッテリー自体が劣化している場合も、エンジンがかからなくなることがあります。
前日まで問題なく始動していたバッテリーでも突然起こり得る現象であるため、使用年数が長いバッテリーは点検や交換が必要です。
セルモーターの異常
セルモーターが故障すると、バッテリーに問題がなくてもエンジンがかからなくなります。
セルモーターはエンジン始動時にクランクシャフトを回し、エンジンが自力で動き始めるきっかけをつくる部品です。
故障すると、バッテリーに問題がなくてもセルモーターが回らず、エンジンを始動できません。
ただし、セルモーターが回らない場合はバッテリー上がりやヒューズ切れなども考えられるため、症状だけでセルモーターの故障と断定することはできない点に注意が必要です。
セルモーターの故障が疑われる場合はセルフで応急処置はできないため、ディーラーやロードサービスに連絡しましょう。
オルタネーターの異常
オルタネーターが故障するとバッテリーを充電できず、エンジンがかからなくなることがあります。
オルタネーターは、エンジンの回転を利用して発電しバッテリーを充電する役割を担うパーツです。
オルタネーターに異常があるとバッテリーが充電されないため、セルモーターが回せません。その結果、エンジンがかからなくなります。
特に短期間でバッテリー上がりを繰り返す場合は、オルタネーターの不具合が原因の可能性があります。
その状態でエンジンがかかったとしても充電されないため、走行中にエンジンが停止するリスクもあります。できるだけ早めの点検が必要です。
点火系や燃料供給系に異常がある
セルモーターが回っていてもエンジンが始動しない場合は、点火系や燃料供給系の異常が考えられます。
点火系では、スパークプラグやイグニッションコイルが故障すると、混合気に火花を飛ばせず、燃料を正常に燃焼させられません。
また、燃料ポンプやインジェクターなどに異常があると、エンジンへ必要な燃料を供給できなくなります。
これらの故障は外から判断するのが難しく、部品の点検や故障診断が必要です。無理に始動を繰り返さず、整備工場やロードサービスへ相談しましょう。
オイル関連トラブル
寒さによってエンジンオイルの粘度が高まると、エンジンがかかりにくくなることがあります。
気温が低下するとエンジンオイルの粘度が高まり、エンジン内部の抵抗が大きくなります。その結果、セルモーターに負荷がかかり、エンジンが始動しにくくなるケースがあります。
特に寒冷地や冬場の厳しい冷え込みでは、バッテリー性能の低下も重なり、エンジンがかかりにくくなりやすいといえるでしょう。
エンジンオイルの「0W-20」などの表示では、Wの前の数字が低温時の粘度特性を示します。
数字が小さいほど低温でも流動性を保ちやすいものの、使用できる粘度は車種ごとに指定されています。寒冷地であっても、取扱説明書に記載された範囲のオイルを選ぶことが重要です。
ガス欠(燃料不足)
ガス欠(燃料不足)によってエンジンがかからないケースもあります。
特に、ガソリン車の「燃料残量警告灯」や、ハイブリッド車などの「リチウムイオンバッテリー残量警告灯」が点灯した状態でシステムを停止すると、次に起動しようとしてもかからないことがあります 。
すでにエンジンがかからない状態になっている場合は、無理に始動を繰り返さず、ロードサービスへ燃料補給を依頼しましょう。
ヒューズが切れている
スターターや燃料ポンプに関係するヒューズが切れると、エンジンがかからなくなることがあります。
ヒューズは、電気回路に過大な電流が流れた際に回路を遮断し、電装品を保護する役割を持ちます。
スターターや燃料ポンプなどに関係するヒューズが切れると、必要な装置が作動せず、エンジンがかからなくなることがあります。
ただし、ヒューズ切れは電気系統の不具合によって起きている可能性もあります。
ヒューズを交換しても再び切れる場合や、原因を判断できない場合は、整備工場で点検を受けましょう。
原因がどこにあるのかを見極める必要があるため、プロへの点検依頼がおすすめです。
ハンドルロックがかかっている
ハンドルロックがかかると、エンジンが始動できないことがあります。
ハンドルロックは盗難防止システムで、エンジンがかかっていないのにハンドルを動かすとロックされ、エンジンがかからなくなる仕組みです。
ほかの要素で原因が考えにくい場合は、ハンドルロックの可能性を疑ってみましょう。
ロックがかかっている場合は、ハンドルを左右に軽く動かしながらエンジンキーを回すと解除できます。
スマートキーの電池が切れている
スマートキーは電池残量が少なくなると、車両がキーを正しく認識できずエンジンがかからなくなることがあります。
ただし、電池切れでもスマートキーをエンジンスイッチに近づける、または接触させることで、一時的に始動できる車種もあります。
具体的な操作は車種によって異なるため、取扱説明書に従ってください。
操作ミス
シフトレバーの位置やブレーキ操作などの操作ミスによって、エンジンがかからないことがあります。
特に普段と異なる車を運転した場合や、慌てている状況では基本操作を見落としがちです。
故障を疑う前に操作手順を一つずつ確認することで、不要なトラブル対応を避けられる場合もあります。
症状からエンジンがかからない原因を判断する方法

エンジンがかからないときは、始動時の音やメーター、ライトの状態を確認することで、原因をある程度絞り込めます。
症状によっては、バッテリー上がりやセルモーター、点火系など、原因を推測する手がかりになります。
始動操作をしても音がしない
始動操作をしてもセルモーターの音がしない場合は、バッテリー上がりやバッテリー端子の外れ、ヒューズ切れ、セルモーターの故障などが考えられます。
スマートキーの電池切れや、シフト位置・ペダル操作が原因で始動できていないケースもあります。
まずは、室内灯やヘッドライト、メーターが点灯するか確認しましょう。電装品も作動しない場合は、バッテリー上がりや端子の接触不良が疑われます。
一方、電装品が正常に動くにもかかわらずセルモーターが回らない場合は、セルモーターや始動回路に異常が生じている可能性があります。
電気系統は動いている
メーターやライトなどの電気系統が正常に作動しているにもかかわらずエンジンがかからない場合は、セルモーターなど始動系の不具合や操作ミスが考えられます。
エンジンはかからないものの、メーター類が点灯し、ライトやカーナビ、パワーウィンドウなどの電気系統が正常に作動している場合、バッテリーが完全に上がっている可能性は低いと考えられます。
このような場合は、エンジンの始動手順に誤りがないかを確認するとともに、セルモーターなど始動系の不具合を疑う必要があります。
ただし、バッテリーが完全に放電された状態ではなくても、電圧低下によってエンジンがかかりにくくなるケースもあります。
メーターやライトが点灯しない・暗い
メーターやライトが点灯しない、または普段より暗い場合は、バッテリー上がりやバッテリー端子の緩み・外れが疑われます。
ホーンが鳴らない、または音が小さい場合も、バッテリーの電圧が低下している可能性が考えられるでしょう。
ライトや室内灯の消し忘れだけでなく、バッテリーの劣化や長期間車に乗らなかったことも原因になります。
電装品がほとんど作動しない場合は、無理に始動を繰り返さず、バッテリーの状態を確認しましょう。
キュルキュル音がする
「キュルキュル」という音がする場合は、セルモーターは正常に回っており、燃料不足や点火系・燃料供給系の異常が考えられます。
スパークプラグやイグニッションコイルに問題があると、燃料に点火できません。また、燃料ポンプなどが故障していれば、エンジンへ燃料を送れなくなります。
燃料残量を確認しても原因が分からない場合は、外部からの判断が難しいため、整備工場やロードサービスへの相談が必要です。
カチカチ・カリカリという音がする
「カチカチ」「カリカリ」という音がする場合は、バッテリーの電圧低下やセルモーター関連の故障が考えられます。
キーを回した際に「カリカリ」「カチカチ」といった軽い音がする場合は、電力自体は供給されているものの、エンジンを回す動作まで至っていない状態です。
バッテリーの電圧低下のほか、セルモーター関連の故障が考えられます。
特にジャンプスターターなどで電力を補っても症状が変わらない場合は、セルモーターなどの始動系が原因の可能性が高いといえるでしょう。
しばらく車を動かしていなかった
長期間車を使用していなかった場合は、自然放電によるバッテリー上がりが原因の可能性があります。
まずはジャンプスタートを試し、動くようであればそのまましばらく走ってバッテリーを充電しましょう。
その後も頻繁にバッテリーが上がるようであれば劣化しているため、交換する必要があります。
また、しばらく乗っていない車はガソリンやオイル関連も劣化している可能性があるので、燃料やオイル関連もチェックしてみることをおすすめします。
寒い日にエンジンがかからない
寒い日にエンジンがかからない場合は、バッテリー性能の低下やエンジンオイルの粘度上昇が原因として考えられます。
気温が極端に低い環境では、バッテリー性能が低下するうえエンジンオイルも硬くなるため、通常よりエンジンがかかりにくくなります。
特に寒冷地や冬場の早朝はトラブルが起きやすい傾向があるため、注意しましょう。
バッテリーはこまめにチェックして適切な時期に交換する、適切な粘度のオイルを使用し定期的に交換するなど、メンテナンスを意識しましょう。
車のエンジンがかからないときの対処法

車のエンジンがかからないときは、原因を特定したうえで適切に対処することが大切です。
まずは、人為的ミスやバッテリーの状態を確認し、原因が分からない場合はロードサービスや整備工場へ相談しましょう。
・人為的ミスではないか確認する
・エンジンキーを挿して状態を確認する
・始動操作をして音や反応を確認する
・バッテリー上がりが疑われる場合は応急処置を行う
・どうしてもエンジンがかからないならプロに任せる
1.人為的ミスではないか確認する
エンジンがかからない場合は、まず操作ミスがないか確認しましょう。
以下のポイントを確認してください。
・シフトレバーは「P」に入っているか
・ブレーキペダルを十分に踏んでいるか
・ハンドルロックがかかっていないか
・燃料が残っているか
2.エンジンキーを挿して状態を確認する
人為的ミスが見られない場合、メーター、室内灯、ヘッドライト、パワーウィンドウなどが正常に点灯・作動するか確認します。
この時点で「ライトの点灯」と「パワーウィンドウが動く」ことが確認できた場合、バッテリー以外の箇所に原因がある可能性が高いです。
逆に、ライトやパワーウィンドウが動かなければバッテリートラブルを疑いましょう。
3.始動操作をして音や反応を確認する
次に、始動操作を行い、セルモーターの音やメーターの変化を確認します。
- 無音の場合:バッテリー、スマートキー、ヒューズ、セルモーターなど
- カチカチ音がする場合:バッテリーの電圧低下やセルモーター
- セルは回るが始動しない場合:燃料不足、点火系、燃料供給系など
何度も始動を繰り返すと、バッテリーやセルモーターへ負担がかかるため、確認は必要最小限にとどめます。
4.バッテリー上がりが疑われる場合は応急処置を行う
ここまでの手順を踏まえ、バッテリー上がりの可能性が考えられる場合は以下の方法で対処しましょう。
・ジャンピングスタートで他の車から電力を供給してもらう
・バッテリーを充電できるジャンプスターターを使用する
無事にエンジンがかかったら、最寄りの自動車整備工場やディーラーへ向かって相談しましょう
5.どうしてもエンジンがかからないならプロに任せる
原因が特定できず、エンジンがかからない場合は、ロードサービスや整備工場へ相談しましょう。
1〜4までの手順を踏んでも状況が改善しない場合、自力での対処は困難といえます。
これ以上の対処は専門的な知識が必要となるため、ロードサービスや近くの自動車整備工場、ディーラーなどに連絡してプロの力を借りましょう。
車のエンジンがかからない場合の修理費用

エンジンがかからない場合の修理費用は、故障箇所や車種、交換する部品によって異なります。
主な原因箇所ごとの修理内容と費用の目安は、以下の通りです。
| 修理内容 | 費用の目安 |
| バッテリー交換 | 7,000~50,000円程度 |
| ヒューズ交換 | 数千円程度~ |
| セルモーター交換 | 30,000~80,000円程度 |
| オルタネーター交換 | 50,000~130,000円程度 |
| スパークプラグ交換 | 7,500円~40,000円程度 |
| 燃料ポンプ交換 | 30,000~80,000円程度 |
バッテリー交換の費用は、本体価格に交換工賃を加えた金額です。
一般的なバッテリーと、アイドリングストップ車・ハイブリッド車用では本体価格に差があるため、使用するバッテリーによっては修理費用が高くなることがあります。
また、修理費用は純正品と社外品の違いや、依頼する業者によっても異なります。
修理を検討する際は、見積もりを依頼して内訳を確認することをおすすめします。
エンジンがかからないトラブルに備えてできること

エンジンがかからないトラブルに備えるには、日頃から車のメンテナンスを行い、応急処置に必要な用品やロードサービスを事前に準備しておくことが大切です。
定期的にメンテナンスする
定期的なメンテナンスは、エンジンがかからないトラブルの予防につながります。
エンジンオイルの交換やバッテリー電圧のチェックなど、車のメンテナンスを定期的に行うことが大切です。
日常的なメンテナンスによって車の状態を把握できていれば、エンジンがかからない原因を特定しやすくなるでしょう。
洗車や給油の際に点検を依頼するのもひとつの方法です。行きつけのガソリンスタンドがあれば、わざわざ整備工場を探す手間もかかりません。
ブースターケーブル・ジャンプスターターを用意
ブースターケーブルやジャンプスターターを車内に常備しておくと、バッテリー上がりへの備えになります。
ブースターケーブルがあれば、救援車から電力を分けてもらうことが可能です。さらにジャンプスターターなら、救援車なしでエンジンを始動できる場合があります。
万が一に備え、あらかじめ取扱説明書に目を通し、使用方法を確認しておきましょう。
スマートキーの電池を用意
スマートキーを使用している場合は、予備の電池を用意しておくと電池切れに備えられます。
スマートキーの電池が切れると、エンジンがかからなくなることがあります。
電池切れの状態でエンジンをかける方法はメーカーによって異なりますが、あらかじめ予備の電池を用意しておくとスムーズに対応できます。
利用できるロードサービスを確認する
利用できるロードサービスを事前に確認しておくと、自力で対処できない場合でも落ち着いて対応できます。
ロードサービスはJAFのほか、任意保険やクレジットカード、自動車メーカーが提供するサービスに付帯しているケースもあります。
なお、バッテリー上がりや燃料切れ、レッカー搬送など、無料で利用できる作業や距離は契約によって異なります。
トラブルが起きてから調べるのではなく、事前にサービス内容と連絡方法を確認しておくことが大切です。
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