車のエンジンオイル漏れの確認方法や原因・対処法を知ろう
2022年06月19日
エンジンオイル漏れは車両火災につながる可能性もある怖いトラブルです。ここでは車のエンジンオイル漏れの原因や確認方法、そしてエンジンオイル漏れが起きた際の対処法などをご紹介します。
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車のエンジンオイルとは
エンジンオイルは、エンジンをスムーズに動かすために必要不可欠な潤滑油です。
エンジンオイルは主に以下の5つの役割を果たしています。
・エンジン内部の各部品の摩耗や焼け付きなどを防止するための「潤滑」
・エンジンが作動することによって発生する熱や汚れを取り除く「冷却」「洗浄」する役割
・エンジン寿命を短くする原因のひとつである錆を防止する「防錆」
・シリンダーやピストンのわずかな隙間に入り気密性を確保する「密封」
エンジンオイルが劣化するとこれらの役割を十分に果たせずさまざまな不具合の原因になる可能性があるため、定期的な交換が必要です。
エンジンオイル漏れの種類
エンジンオイル漏れとは、何らかの原因でエンジンオイルがエンジン内部や外部に漏れ出してしまうことを指します。オイル漏れは内部漏れと外部漏れに大きく分けられます。
外部漏れ
外部漏れは、ゴムやパッキンの劣化などによりエンジンからオイルが漏れ出る「オイル下がり」によって発生します。
漏れ出したオイルは車外にまで達し、エンジンルームの下にぽたぽたと水滴が垂れているような状態になります。
このため、外部漏れの場合は駐車時に車の下が染みになっていることでオイル漏れに気付くケースが多いようです。
内部漏れ
外部漏れで紹介した「オイル下がり」に加え、内部漏れはエンジンンのシリンダーとピストンリングの間からオイルが燃料室に上がる「オイル上がり」と呼ばれる現象によってガソリンとオイルが一緒に燃焼してしまう状態をいいます。
外にオイルが漏れださないため、外部漏れに比べて気付きにくく、発見が遅れがちな傾向があるといえるでしょう。
内部漏れに気付かないままで走行を続けると、マフラーから白煙が出るようになります。
エンジンオイル漏れを確認する方法
車の下に液体が漏れていることで「エンジンオイルの外部漏れ」に気付くことが多いのは確かです。
しかし、車にはエンジンオイル以外にもさまざまな液体が使用されているため、漏れている液体がエンジンオイルであるとは限りません。
何らかの液体が漏れていることに気付いたら、次の点をチェックしてみましょう。
漏れている液体の状態をチェック
漏れている液体の色や粘度を目視や直接手で触れて確認してみます。茶色や黒っぽい色の液体で、焦げたようなにおいがする、液体に粘度があるというときはエンジオイルの可能性が大きいといえます。
匂いのない透明な液体の場合はエアコンや排出ガスの水なので問題はありませんが、色の付いた液体の場合はクーラント(エンジン冷却水)漏れのため、これもそのまま走行するとオーバーヒートを起こす可能性があるので、対処しましょう。
また、明らかなガソリン臭がする場合はガソリンが漏れており、走行せずとも火災の危険があります。即ロードサービスを呼んでください。
液体の漏れ出している位置をチェック
車のどの部分から液体が漏れ出しているのかも、判断基準のひとつになります。
エンジンルームの真下から液体が染み出ているようであれば、エンジンオイル漏れと考えてほぼ間違いないでしょう。
オイルゲージでチェック
オイルゲージを使い、エンジンオイルの量がどのくらいあるのかも確認してみましょう。
ボンネット内にあるオイルゲージで残量を確認し、オイルの減りが激しいようであればエンジンオイル漏れと考えられます。
オイルゲージでのチェックは、特に内部漏れの確認に有効です。
油圧警告灯が点灯したらオイル漏れの疑いあり
油圧警告灯は、エンジンオイルの量が不足し、十分な油圧が得られていない場合に点灯するため、オイル漏れで油圧が下がった場合も点灯します。
警告灯は種類や状況によって青、橙、赤に点灯します。
青は異常なし、橙はすぐに危険が迫っているわけではないが異常がありできるだけ早い点検・整備が必要な状態です。
赤は最も緊急度が高く事故を引き起こす危険がある不具合があるため迅速な対処が必要な状態を指しています。
油圧警告灯は赤に点灯するため、緊急度が高くそのまま走行するのは危険です。
油圧警告灯が点灯したら安全な場所に車を停車し、ロードサービスを呼んでください。
エンジンオイル漏れを放置するとどうなるか
車検に合格できない
車検の検査項目の中には「下回り検査」があり、下回りやエンジンルームをチェックされオイル漏れの有無を確認されます。
原則として、検査員がオイル漏れを目視などで確認できる状態であれば車検には合格できません。
車検業者を通す場合も、オイル漏れはほとんどの場合で修理を促されます。
エンジンが焼き付き、走行不能になる可能性も
オイル漏れをした状態で走行し続けると、オイルが不足し潤滑機能がなくなり、各部品の摩擦が大きくなり摩擦熱が発生します。
またエンジンオイルの役割のひとつである冷却作用も大幅に低下するため、最終的にはエンジンが焼き付き、走行不能になるなど致命的なダメージを負うことになります。
車両火災のリスクもある
漏れ出したエンジンが車の高温になったパーツなどに付着することで、車両火災につながることもあります。
また、エンジンが焼き付いたことでエンジンが破損しオイルを周辺にまき散らすことになり、車両火災になるケースもあるので、オイル漏れ状態での走行は危険と認識し、放置しないことが大切です。
車のオイル漏れを引き起こす原因とは
ガスケットの劣化、ずれなど
ガスケットはゴムやプラスチック、金属などでできた部品で、エンジンの部品間の接合部を埋める役割を果たしており、使用環境にかかわらず劣化が避けられない消耗部品といえます。
劣化すると気密性がなくなり、隙間ができてその部分からエンジンオイルが漏れることになります。
バルブシールの劣化・硬化
バルブシールは、オイルパンから燃料室にオイルが入り込む「オイル上がり」を防ぐパーツです。
エンジンオイルが劣化すると、オイル内に金属粉が混じるようになり、この金属粉がバルブシールを劣化させ、内部漏れの原因となるオイル上がりにつながります。
オイルパンの破損
エンジンオイルを入れておくパーツがオイルパンです。ガスケットなどと比べると損傷・劣化しにくいパーツではありますが、経年劣化で錆が発生し腐食してオイル漏れが発生することがあります。
また車をぶつけた衝撃で、破損することもあるようです。
ドレンボルトの摩耗や不具合
オイルパンの下部にあるドレンボルトは、オイル交換時に排出口となる部品で、ドレンボルトが劣化すると接合部に隙間が生じて漏れの原因になることがあります。
また純正品以外を使用した場合、サイズが合っていないときちんと接合できずオイル漏れを起こすことに。
また、締めすぎることによってねじ山がつぶれ、オイルが漏れることあるので取付け時には適度に締めるようにしましょう。
車がオイル漏れを起こした際の対処法
エンジンオイルを粘度の高いものに変える
エンジンオイルの漏れが気になるときは、粘度の高いオイルに変えてみるといいでしょう。
ただし、車種によって適したエンジンオイルは異なり、適正でないエンジンオイルはエンジンの持つポテンシャルが発揮できないばかりか、燃費の悪化を招くことにもなります。
エンジンオイルの粘度を変える際には、取扱説明書を確認する、ディーラーやメーカーに問い合わせるなど、その車種に推奨されている粘度を把握しておくことが大切です。
エンジンオイルの漏れ止め剤(添加剤)を使用する
にじみ程度の軽度なオイル漏れであれば、カー用品店などで販売されている漏れ止め剤を使用してみるのも対処法のひとつといえます。
漏れ止め用の添加剤にはオイルの粘度を上げる効果や、シールなどの弾力をよみがえらせてくれる効果もあります。
ただし漏れ止め剤によっては添加してから効果が出るまでに一定の時間を必要とするものもあります。そのため予防的に使用するのもいいかもしれません。
できるだけ早く点検・整備を依頼する
上記に挙げた対処法はあくまでも応急処置に過ぎず、根本解決にはなりません。そのままの状態で走り続ければより悪化し、重大な事故を招く可能性も否定できないのです。
そのためできるだけ早くディーラーや整備工場などへ持ち込み、プロの点検・整備を受けるようにしてください。
車のオイル漏れを防ぐには
車のエンジンオイル漏れは、エンジンオイルの劣化が原因となることがほとんどです。
そのため定期的なエンジンオイル・オイルフィルターの交換を行うことが最大の予防策といえるでしょう。
エンジンオイルの交換は走行距離15,000km程度、もしくは1年に1回程度の頻度での交換が一般的とされていますが、走行環境や車種によっても異なります。
また、車を使っていなくてもエンジンオイルは劣化するので、車をあまり使用していないという場合も定期的に交換するようにしましょう。
定期的なメンテナンスを実施してオイル漏れなどのトラブルと無縁のカーライフを
エンジンオイル漏れは重大な事故につながる可能性のあるトラブルです。オイル漏れかもしれないと感じたら、できるだけ早くプロのチェックを受けましょう。
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