ASVに必要となったエーミング（特定整備）作業

エーミングとは、先進安全技術をはじめとする電子制御装置を適切に作動させるために必要な調整・校正作業です。

近年はASV（Advanced Safety Vehicle）と呼ばれる先進安全技術を搭載した車が急速に普及しています。

2010年代半ば以降に登場した車の多くには、車両や歩行者などを検知して危険があればブレーキ制御をシステムが行う衝突被害軽減ブレーキなどが搭載されているため、現在利用中の車がASVという方も多いのではないでしょうか。

エーミングの必要性

ASVには、車両の周囲の状況を検知するセンサーが必ず搭載されています。

そのセンサーを装着しているパーツを修理や交換などで車両本体から外し、再び装着する際、センサーの角度や高さ、検知範囲などが変わってしまいます。

そのままの状態では検知精度が下がり、万が一の危険が迫った際に正常に衝突被害軽減ブレーキなどが作動しないなどの危険につながる可能性があるのです。

そのため、システムが必要な時に正確に作動するよう、スキャンツールなどの専用機器を使用しながらセンサーの校正・調整作業を行うのであり、ASVにとっては非常に大切な作業であるといえるでしょう。

OBD車検の導入によってエーミング未実施車は車検不合格になる時代に

OBD車検とは

2021年10月1日から、車検の法定費用に「技術情報管理手数料」として車種に関わらず1台当たり一律400円が追加されたことをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

これはOBD車検の導入に伴って加算されたもので、OBDは「On Board Diagnostics」、日本では車載式故障診断装置と訳される英語の略称です。

OBD車検はこのOBDに法定スキャンツールを接続し、インターネットを利用して電子制御機器を中心に車の不具合を判定する検査のことを指します。

OBD車検が導入された背景

OBD車検が導入された背景には、「100年に一度の大変革期」といわれている今のモビリティ業界の動きが関係しています。

「CASE」といわれる「コネクテッド（IoT）」「自動化」「シェアリング」「電動化」の４項目の技術革新の速度はすさまじいものがあり、モビリティ業界は従来の概念から脱却し、新時代に適した車づくりを迫られています。

衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術の進化・普及もそのひとつといえます。

先進安全技術の普及

国土交通省や経済産業省は交通事故削減の一環として、先進安全技術を搭載した車「セーフティサポートカー」、通称サポカーの普及啓発を推進しています。

そのことから、今時の車には衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制装置などは欠かせないものといえるまでに普及しています。

現在、高速道路などで加減速やステアリング操作をシステムがサポートする運転支援機能や、ステアリング操作やペダル操作に加えてシフト操作もアシストする駐車支援機能を搭載する車も登場しています。

近い将来、自動運転も一般化することは明らかです。

従来の車検項目では電子制御装置には対応できない

従来の車検項目では、そうした先進安全技術などに使用される電子制御装置の点検に対応できず、不具合に気付けないため安全性が確保されないおそれがあることが問題視されるようになりました。

こうした背景があり、時代に合った安全性を確保するためにOBD車検が導入されるようになったのです。

OBD車検の開始時期

OBD車検が本格的に開始されるのは、国産車の場合は2024年10月、輸入車は2025年10月からとなっています。

当面の検査対象となる車は2021年以降に販売される新型車（乗用車・バス・トラック、型式指定自動車または多仕様自動車）で、対象装置は自動運転システムや運転支援技術、排ガス関連装置です。

なお、本格開始に先駆けて2021年10月1日からプレテストが開始されていますが、プレテスト期間中は不合格判定の基準になる「特定DTC」が検出されても車検不合格にはなりません。

エーミング未実施は「特定DTC」に該当

なお、OBD車検でエーミング未実施を示すDTC（故障コード）が検出された場合は、「装置が適切に機能しない状態にある」とされ、「特定DTC」に該当するため、OBD車検本格開始後は車検に通らなくなります。

エーミング（特定整備）作業が必要となる整備とは

エーミング作業は、主に先進安全技術で使用させるセンサーやカメラユニットに関連する部品の脱着や修理を行った場合に必要となります。

衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置等に用いられるセンサーやカメラユニットは、フロントグリル部分やバンパー、フロントガラスに設置されていることが多いです。

そのため、こうしたパーツの脱着を伴う作業にはエーミングが必要になります。

エーミング作業の具体的な内容

エーミング作業の内容としては、ターゲットやリフレクター等を利用した正しい作動の確認テストをスキャンツールによって実施します。

その上で、必要に応じて水準器やアライメント測定器を用いたセンサーの中心を割り出すための角度算出やアライメント調整等が行われます。

このようにエーミング作業には必要となるツールが多く、またエーミング作業を行うために必要な広さの指定等もあることから、専門店の中でも選ばれた店舗でしか行えない作業となっています。

エーミング（特定整備）作業にかかる料金相場

エーミング作業は安全に車を走行させるためにも必ず行うべき作業となっていますが、行う上で気になるのはエーミング作業にかかる料金相場ではないでしょうか。

エーミング作業は、車種や修理の内容によって行わなければならない作業工数が変わることから一概にはいえませんが、料金相場としてはおよそ20,000円～25,000円程度といえるでしょう。

しかし、実際の料金には差が出る場合がほとんどです。

車によって検知システムが異なるため料金には差がある

先進安全技術に欠かせない検知システムは、ステレオカメラのみを使用するものやレーダーとカメラなど複数のセンサーを組み合わせたものなど、メーカーやモデルによってさまざまです。

また、同じモデル内であってもグレードや生産時期によって搭載している検知システムが異なるケースも少なくありません。そのため、作業内容が車によって変わるのです。

場合によっては本来補修で済むパーツであっても、センサーシステムの関係上パーツ交換となることもあり得ます。

エーミング作業そのものの料金のほかに費用が発生することもあると認識しておくべきといえるでしょう。

エーミング（特定整備）作業も確実に対応！修理からエーミングまで車のことならカーコン店舗へ

今回はASVの特定修理におけるエーミング作業の必要性や料金相場等を簡単に紹介しましたが、せっかくの先進安全技術も正しく調整や取り付けが行われていなければ事故の原因になる恐れもあるため、エーミング作業は非常に大切なものです。

また、エーミング作業には特定の環境やツールが必要となることから専門店への依頼が必須であり、専門店の中でも作業ができる店舗が限られるため注意しなければなりません。

エーミング作業に不安があればご相談を！

もし、車のエーミング作業について不安や実施を検討している場合は、お近くのカーコン店舗までお気軽にご相談ください！

カーコンビニ倶楽部では、エーミング作業はもちろんのことエーミング作業が必要となる板金修理やガラス交換までお客様の予算やニーズに合わせたプランで丁寧にご対応いたします。もちろん、リーズナブルな料金で対応させていただきます。

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