車の修理にローンは組める？

事故により車が大きく損傷したり、複数の内部部品が故障したりした場合、修理費用が高額になることもあります。

一括での支払いが難しいという状況もあるでしょう。

業者によっては修理費用でローンを組んだり、クレジットカードで分割払いをしたりといった支払い方法が可能です。

ローンや分割払いを利用すれば、1回ごとの支払金額を抑えて愛車を修理することができます。

 

車の修理で組めるローンの種類

車の修理代の支払いに組むことができるローンは、主に以下の3種類があります。

ローン	特徴
マイカーローン	・他の支払い方法よりも金利が低い ・審査基準が厳しい
多目的ローン	・借入金の用途が制限されておらず、審査基準も比較的易しいため利用しやすい ・金利が高め
クレジットカードの分割払い	・審査なしで即時利用できる ・支払回数に応じた手数料がかかる

以下より、各ローンの特徴や金利などについてより詳しく解説します。

マイカーローン

車の購入時に組むことができる金融機関のマイカーローンは、修理費用の支払いにも利用が可能です。

マイカーローンのメリット

マイカーローンのメリットは、他のローンよりも金利が比較的低いことです。

一般的にマイカーローンの金利は1～3％程度となっており、支払総額を安く抑えることができます。

また、詳細は後述しますが車の購入や修理以外にも様々な用途の出費に対応しています。

マイカーローンのデメリット

マイカーローンは、金利が低いぶん審査基準が厳しい傾向にあります。

また、金融機関は土日祝に営業していないため、審査申し込みは平日しか行えず借入までに時間がかかりやすいことも難点です。

 多目的ローン

多目的ローンは、主に金融機関が個人に向けて提供しているローンのことです。

借入金の用途が制限されていないため、「フリーローン」とも呼ばれています。

多目的ローンのメリット

多目的ローンは借入金の用途が制限されておらず、Web上で手続きが完結するサービスも多いです。

また、審査基準もマイカーローンより緩やかなため、利用のハードルが低いという点もメリットです。

多目的ローンのデメリット

審査基準が緩やかな一方で、金利が高めに設定されがちなため支払総額が大きくなりやすいことはデメリットです。

また、多目的ローンは1回の契約でまとめてお金を借りる「証書貸付」という形態です。

後から別のお金が必要になっても、多目的ローンで追加の借り入れを行うことはできません。

クレジットカードの分割払い

ローンではありませんが、クレジットカード払いに対応している業者であればクレジットカードの分割払いで車の修理費用を支払うことができます。

クレジットカードの分割払いのメリット

クレジットカードの分割払いは利用前の審査がないため、業者がクレジットカード払いに対応していれば、即時利用可能な点が最大のメリットです。

また、支払回数は自分で設定することができ、自分の都合に最適な支払い計画を立てられます。

クレジットカードの分割払いのデメリット

分割払いには金利ではなく手数料が発生します。

手数料はカード会社や支払回数によって異なり、回数が多いほど総支払額は増えます。

また、月々の負担は軽くなりますが、手数料が加わるため一括払いより支払総額は高くなります。

限度額の範囲内で何度でも利用できるため、気づかないうちに残高が増え、支払いが苦しくなる可能性があります。

 

ディーラーは車の修理で分割払いができない？

車関係のローンとしてはディーラーローンもありますが、修理費用の支払いには使えません。

ディーラーローンが使えるのは、基本的に車の購入時のみです。ただし、場合によっては修理でも分割払いとして対応してもらえる可能性があります。

ディーラーでの修理は原則一括払いですが、相談により「確実に全額を回収できる」と判断されると分割払いを認めてもらえます。

例えば法人顧客や経済状況が安定している一部の顧客には、分割払いの相談に応じてもらえるケースもあるようです。

 

車の修理でローンを組む際の審査基準

車の修理でローンを組む際、ローンの種類に応じた審査を受ける必要があります。

金融機関によって詳細が異なる場合がありますが、一般的にローンを組む際は以下のポイントを元に審査が行われます。

滞納・未払い履歴の有無

税金・公共料金・携帯電話料金などの滞納があったり、債務整理を行ったりすると信用情報機関にその履歴が登録されます。

ローンの審査時は滞納や未払い履歴の有無といった信用情報も確認されるため、上記に該当する場合はローンの審査に通らない可能性があります。

収入

ローンの審査は、借入金額を滞りなく返済できるかどうかを判断するために行われます。

そのため、借入金額に対し十分な収入を得られているかどうかもチェックされるポイントです。

一般的に、借入金額が年収の30％を超えると審査に通らない可能性が高くなります。

他の借り入れの有無

住宅ローンや奨学金など、他のローンを利用していると審査に通らない可能性が高くなります。

他の借入と現在借入を希望しているローンの総額から、「返済が難しい」と判断されやすくなるためです。

いずれのローンも返済が滞ると信用情報に影響が及ぶため、注意が必要です。

 

車の修理でローンの審査が不安な場合の対処法

ローンは事前の審査に通過する必要があるため、必ずしも利用できるとは限りません。

様々な理由から事前審査に通過できるか不安な方には、以下の対処法がおすすめです。

保証人を立てる

支払い能力の点からローンの審査に通るか不安な場合は、保証人を立てることを検討しましょう。

契約者がローンを返済できなくなった際、代わりに返済義務を負う保証人を立てると審査に通りやすくなります。

配偶者・親・親族など身近な存在で、安定した収入のある人物がいる場合は相談してみましょう。

キャッシングを利用する

ローンの審査に通過できない場合は、クレジットカードのキャッシングの利用も検討しましょう。

手持ちのクレジットカードに設定された「キャッシング枠」以下の金額なら、ローンの審査に通らない事情があっても利用できる場合があります。

キャッシングは金利が高いため注意

キャッシングは比較的簡単にお金を借りることができますが、金融機関が提供しているローンよりも金利が高い点に注意が必要です。

具体的な金利は借入元によって異なりますが、一般的には15～18％程度と、クレジットカード払いの手数料利率よりも高い傾向にあります。

通常のカード払いよりも支払総額は多くなる点を留意のうえ、利用するかどうかを判断しましょう。

借入額が多いなら修理内容を調整する

ローンの審査は借入額が多いほど通過が難しくなるため、修理内容を調整して費用総額を抑える工夫をしましょう。

緊急性の低い整備が追加されている場合は省いてもらう、パーツ交換の場合は比較的安価なリビルトパーツを使うなどの工夫で修理代を安く抑えられる可能性があります。

車が古い場合は乗り換えも検討する

長年乗り続けた車の場合は、無理に修理をせず新車に乗り換えるという手もあります。

年式の古い車は修理をしても別の箇所に不具合が起こることも多く、乗り続けても維持費がかさむため、結果的に乗り換えた方がお得になる可能性があるからです。

乗り換えか修理かを判断するポイント

乗り換えか修理かを判断するにあたって考慮するポイントが、経過年数または走行距離です。

車の使用環境や車種によって変わりますが、一般的に国産車は年数にして10年程度、走行距離にして10万km程度を超えてから不具合が起こりやすくなります。

今後別の箇所に不具合が生じるリスクに備えて、現状の年数や走行距離を考慮のうえ乗り換えを検討しましょう。

 

 車の修理費用を抑えるコツ

できるだけローンを使わずに車を修理したい場合は、以下のような工夫で費用総額を抑えるという手もあります。

複数の業者に見積もりを依頼する

車の修理依頼が可能な業者は、ディーラー・整備工場・カー用品店・ガソリンスタンドなどがあります。

業者によって修理内容や料金設定は異なるため、必ず複数の業者で見積もりを取りましょう。

より安価な料金で修理をしてくれる業者を見つけやすくなります。

部品交換が必要なら中古パーツを検討する

部品交換は修理よりも費用が高くなりがちなため、新品パーツではなく中古パーツへの交換でコストを下げることを検討しても良いでしょう。

なお、ディーラーでの修理・交換には純正品かつ新品のパーツが使われるためコストが高くなりやすいです。

中古パーツに交換する場合は、ディーラー以外の業者に依頼する必要があります。

保険の利用を検討する

交通事故で車に傷やヘコミができた場合、保険を利用して修理費用をカバーできる可能性があります。

ただし保険を利用すると、等級ダウンに伴い翌年の保険料が高くなることに注意が必要です。

実際の修理費用によっては、保険を使わない方がお得になる可能性もあります。

 

費用をかけても車を修理すべき理由

車の傷や故障の修理にはまとまった出費が発生しますが、修理せずに放置すると思わぬトラブルを招くおそれがあります。

ここでは、費用をかけても車を修理すべき2つの理由を解説します。

放置することでさらに修理費用が高額になる

車の傷を放置すると、損傷箇所からサビが発生して広がることがあります。

ボディ鋼板を保護する塗装が剥がれ、そこから水分や汚れが入り込み金属部分が酸化するためです。

また、内部の部品が故障したままだと、周囲の部品にも大きな負荷がかかりさらなる故障につながるおそれもあります。

車の損傷や故障は放置するほど状態が悪化し、修理費用がより高額になります。

最小限の費用で修理するためにも、早めの対処が重要です。

整備不良車とみなされる可能性がある

以下のような不具合が生じている車は、国が定める保安基準を満たさない「整備不良車」に該当します。

・ブレーキが正常に効かない
・ライト類が点灯しない
・タイヤの摩耗が進み「スリップサイン」が見えている
・エンジンに異常がある　　など

整備不良車は事故が発生するリスクが高く、公道を走行すれば道路交通法違反として罰則の対象になります。

法律を遵守するという点でも、車の不具合の放置は厳禁です。

 

修理以外のマイカーローンの使い道

先述したように、マイカーローンは車の購入や修理以外にも様々な用途で利用できます。

マイカーローンを利用できる主な用途をご紹介しますので、参考としてご覧ください。

消耗品・部品交換の費用

エンジンオイルやタイヤなどの消耗品や、各種部品の交換にかかる費用もマイカーローンを利用して支払うことができます。

修理では対応しきれない大きな損傷やエンジン系統に関わる部品の故障交換となる可能性が高く、場合によっては10万円以上の費用を請求されることもあります。

消耗品交換は比較的安価ですが、部品交換は高額になりやすいためマイカーローンの利用を検討しても良いでしょう。

車検費用

車検の際は、税金や自賠責保険料など法律で定められた「法定費用」と、業者に依頼した際の整備費用や手数料が含まれる「車検費用」がかかります。

法定費用は原則として現金一括払いとなりますが、車検費用であればマイカーローンの利用が可能です。

事故による損傷の修理費用

交通事故で破損した車の修理にも、マイカーローンを利用することができます。

相手がいる自己であれば過失に応じて保険会社から補償を受けられますが、自損事故の場合は補償対象とならなかったり、十分な補償を受けることができなかったりします。

保険でも修理費用を補いきれない場合は、マイカーローンの利用も検討しましょう。

レストア（カスタムパーツの装着）費用

レストアとは、古い車をパーツ交換や修理によって新車のように復元することを指します。

性能を改善させるだけでなく自分好みの見た目にカスタムできることが、レストアのメリットです。

レストアは新車と同様の費用がかかるケースも珍しくありませんが、マイカーローンを使って支払うことができます。

 

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