雹（ひょう）による車の被害とは

雹とは直径5mm以上の氷の粒が降ってくる自然現象で、初夏や初冬に発生することが多いです。

硬い氷の粒が大量に降ってくるため、青空駐車で車を保管していたり屋外を走行していたりするとボディに大量の傷やへこみがついてしまいます。

雹（ひょう）が降る仕組み

初夏になると地上付近の空気が高温多湿になったり、初頭になると上空に冷たい空気が流れ込んできたりします。

しかし暖かい空気は上昇、冷たい空気は下降する性質があるため、空気が勢いよく上下で入れ替わろうとして「大気の不安定な状態」となるのです。

その際に積乱雲が発達し、雲の中で冷やされた湿気の多い空気が水になって放出されます。

放出された水が上空の冷たい空気で冷やされ氷の粒となり、雹として地上に降ってくるという仕組みです。

小さい雹（ひょう）でも車に傷がつく可能性はある

雹は大きなもので直径50mmの粒になることもあります。

50mmはゴルフボールとほぼ同等なサイズであるため、このような雹が降った場合は車に当たると傷やへこみができることは想像に容易いです。

一方で5mm程度の小さな雹に留まることも多いですが、それでも落下速度は時速36km程度になると言われています。

つまり、過剰に発達した雹でなくとも「時速36km以上の速度で落ちてくる大量の硬い粒」であることに変わりはなく、車に傷がつく可能性は十分にあるのです。

 

 雹（ひょう）による車の傷・へこみ修理には保険が使える！

雹で車に傷がついたとき、「保険を使って修理は可能なのか」という点が気になる方は多いはずです。

結論から述べると、雹の被害による車の修理に関しては、車両保険の使用が可能です。

車両保険において費用を抑えたエコノミー型であっても、補償される場合がほとんどです。

ただし、契約内容に応じて一部免責金額の支払いが必要になる場合もあるため、補償される範囲については契約内容を確認する必要があります。

雹で車両保険を使うと1等級ダウンに

車両保険を使用した際は等級が１段階下がるため、翌年度からの保険金額が割高になります。

もちろん被害状況によっては、保険を使わない方がお得に修理できる場合もあります。

比較的規模の小さい修理となった際には、見積もり金額とその後の保険料を考慮して保険を使うかどうか判断しましょう。

保険金の請求には期限がある

雹による被害を含め、車両保険で保険金を受け取るには期限内に請求を行う必要があります。

車両保険の請求期限は損害を被ってから「3年」が請求期限とされており、雹の場合は雹が降った日から3年以内に請求を行わなければなりません。

なお、この請求期限は法律で定められているためどの保険会社に加入していても同様です。

とはいえ期限ギリギリに請求すると、損傷と雹の関連性が十分に認められず、支払われる保険金が少なくなることもあります。

3年も期限があるからと油断せず、速やかに保険会社へ請求しましょう。

 

雹（ひょう）で車を修理する際にもらえる保険金の金額

車両保険の使用で支払われる保険金は、「車の時価額」が上限とされています。

新車購入時から1年未満なら車両本体価格がそのまま時価額として扱われる場合が多いですが、1年以上経った車は年数古くなるごとに低くなる傾向にあります。

ただし、雹による被害で修理の見積もり金額が保険金を上回った場合は「物理的全損」扱いになります。

物理的全損扱いで保険を使った場合は車の時価額が支払われますが、車の所有権を失うため十分に注意が必要です。

雹害に車両保険を使う場合はお金だけもらうことも可能

車両保険を使って受け取った保険金は、必ずしも修理に使う必要はありません。

保険金の用途は制限されておらず、修理をせずに乗り換えの費用に保険金を充てるなどの使い方も可能です。

ただし、修理を行わない場合は保険会社に費用の見積もりを行ってもらう必要があります。

保険会社に雹害の連絡をしたときに、修理は行わない旨を必ず伝えておきましょう。

 

雹（ひょう）の被害に遭った車を修理する方法

雹で傷やへこみができた車の修理方法は、損傷の度合いによって異なります。

雹による損傷で用いられることが多い修理方法は、以下の3通りがあります。

デントリペア

軽微なへこみの場合、へこんだ部分だけを元の状態に修復する「デントリペア」という修理が行われます。

塗装やパーツ交換は行われないため、修理費用が安く短時間で完了する修理方法です。

板金塗装修理

板金塗装とはへこんだ部分をパテなどで埋めたうえで再塗装を施したり、パーツを叩いて加工することで元通りの状態に修復する修理方法です。

デントリペアよりも対応可能な範囲が広く、大きなへこみや傷ができた場合は板金塗装修理が行われます。

パーツ交換

板金修理でも対応できない大きな損傷や、板金修理が不可能な素材が使われている車の場合はパーツの交換が必要です。

フレームが変形していない限りはどんなに大きな損傷もパーツ交換で解決する可能性がありますが、デントリペアや板金修理よりも費用が高額になります。

 

雹（ひょう）による車の傷・へこみ修理金額と期間の目安

雹による車の傷・へこみ修理にかかる費用や期間は、修理方法によって変わります。
先述した修理方法ごとの費用・期間の目安は以下の通りです。

修理方法	費用	期間
デントリペア	10,000～40,000円程度	1～5日程度
板金塗装修理	40,000～60,000円程度	2日～1週間程度
パーツ交換	20,000～100,000円以上	2～3週間程度

修理方法だけでなく修理箇所や依頼する業者によっても費用は変わるため、事前の見積もりが重要となります。

 

「雹（ひょう）で車がボコボコになっても直さない」はアリ？

雹で傷やへこみができても、走行には問題がないからといって修理をしない方も見受けられます。

しかし雹が当たった箇所は塗装が剥がれている場合が多く、放置するとそこから水分や汚れが侵入してサビが発生する可能性があります。

塗装の内部にサビが広がれば走行時の安全性に影響が出るうえに、高額な費用をかけて修理をしなければなりません。

費用面で損をしないためにも、雹で傷やへこみができたら速やかに修理を済ませましょう。

 

雹（ひょう）被害に遭った車を修理する際の注意点

雹による車の被害で特に注意すべき点が、ルーフをはじめとした車両の各部に傷やへこみを作ってしまうことです。

たとえばフロントバンパーを軽く擦ったり、軽いへこみが生じたりした程度であればバンパーの交換や塗装などの修復で済む場合も多いです。

しかし、雹は車の上部全体に降り注ぐことから、ルーフやボンネットなど各部にダメージを与えてしまいます。

修理次第で事故車になる可能性あり

ルーフやピラーなど、フレームにあたる部分の修理には他のパーツと異なる点があります。

車の骨格部位であるフレームに損傷があったり、修理や交換が行われている場合は修復歴ありの車（事故車）扱いになるからです。

特に、雹で大きな被害を受けやすいルーフはフレームに該当するので、ルーフパネルを交換すると事故車扱いになります。また、ルーフ周囲のインナーパネルやピラーに歪みや修理痕が認められた場合も同様です。

そのため、ルーフの修理には細心の注意を払いましょう。

なお、ルーフのアウターパネルの板金塗装は修復歴にはなりません。

また、インナーの歪みや修理痕が8.5cm×5.4cm以内に収まっている場合も同様です。

修理に時間がかかる場合がある

基本的に屋外に駐車している自動車は、雹による被害を受けてしまいます。

局地的に雹が降れば、その地域で屋外に駐車している車両のほとんどが被害を受けることになるため、修理依頼をした場合は納期が通常より長くなる可能性も考えられます。

雹によるへこみや破損などの被害を受けた方が同時期に殺到することで、作業内容と相まって作業期間が伸び納期が遅れることも考慮しなくてはなりません。

もしも雹被害に遭遇した際は、へこみや破損を防ぐためにもできる限り屋内に車両を停車すること、車両が被害を受けた場合は車両の価値を下げないためにも信頼できる整備工場にて修理をすることが大切です。

 

 乗車中に雹（ひょう）が降ってきたときの対処法

雪による被害と異なり局地的に前触れもなく降るため、なかなか予防や防止ができないことも雹被害の難点と言えます。

万が一雹に遭遇した場合は、速やかに以下の対処をしてください。

走行中の場合

雹が降っている状態で走行を続けるのは大変危険です。

雹の大きさや量にもよりますが、視界不良になることに加えフロントガラスが割れることもあります。

走行中に雹に遭遇した場合は、屋根のある建物へ避難をしましょう。

避難できる場所が見つからず、運転に危険を感じる状態であればハザードランプを点灯してできるだけ安全な場所に停車します。

建物の中へ避難する

やむを得ず路肩などに停車した場合は、車内にとどまらず近くの建物に避難しましょう。

雹はガラスを突き破る場合があることに加え、雹が降るようなときは天候が不安定になっており、台風のような突風が吹く恐れもあるからです。

 

駐車中に雹で愛車に傷がつかないための対策

走行中の対策と併せて、駐車している間に雹が降った場合の対策も知っておくとさらに傷やへこみのリスクを回避しやすくなります。

雹が降りやすい時期を知る

先述したように、雹は初夏や初冬など大気が不安定な状態になりやすい時期に発生することが多いです。

特に、天気予報で「雷」「積乱雲が発達」「突風」が予測されていた場合は雹が降りやすくなるため、早めに車体を保護するか屋内に移しておきましょう。

ボディカバーや毛布で車体を保護する

雹が降りそうなタイミングで車を屋外に駐車する場合は、ボディカバーや毛布で車体を追おうと雹による衝撃を防ぐことができます。

ただし毛布は1枚だけだと車全体を保護することができず、水に濡れると後片付けに手間がかかるため、可能な限り車用のカバーを使用しましょう。

できるだけ屋内で車を保管する

雹の被害を最も確実に回避できる対策が、屋内に車を移すことです。

雹が降ると予測されており、自宅にガレージやカーポートがない場合は、近隣の地下駐車場や立体駐車場を一時的に利用しましょう。

 

【参考】中古車の中でも雹害車はお買い得？

雹害車とは、販売車両を屋外展示している場合や、出荷前の状態で屋外に駐車しているタイミングで雹が降り、ボディに多数の傷やへこみができている車のことを指します。

雹害車は、外装のダメージは大きいですが、車の本分である走行性能には問題がありません。

車としての機能は十分に果たすことができるため、車の見た目にこだわらず「荷物が積めてしっかりと走ることができれば良い」という実用性重視の方にとってはお買い得といえます。

逆に、車のルックスにこだわりがある方や、車をステータスシンボルと考える方には向いていません。

雹害車がボコボコのまま販売されている理由

雹害車は、ボコボコにへこんだままの状態でほとんど修理せずに流通することがほとんどです。

その理由としては、雹害において最も被害の大きいルーフを外す、もしくは交換してしまうと先述のとおり事故車扱いになり、査定額がかなり下がってしまうからです。

外さずに修理するとなると少なくない工賃がかかるため、「修理をしたうえで販売するのは現実的ではない」というのが一般的な認識です。

結果として、そのまま傷やへこみだらけの状態で販売されることになります。

 

雹による車の傷・へこみ修理もカーコンビニ倶楽部へお任せ！

雹による被害でも、車両保険に加入していれば保険から補償されます。

また、雹被害に遭遇した際は信頼のできる整備工場に任せるなど、本来の車両価値を極力減らさない工夫も大切です。

特に、雹によってルーフをパネルごと交換するなどして事故車扱いになる車両も少なくありません。

そんな雹被害も含め、車のへこみや傷でお困りの場合はカーコンビニ倶楽部へお任せください！

カーコンビニ倶楽部は豊富な知識と高い技術力を持った熟練のプロが、小さな傷・へこみからフレームの変形に至る大きな損傷まで幅広いケースに対応しております。

美しい仕上がり・リーズナブルな価格・迅速性のいずれも実現した独自の工法で、どのようなお客様にもご満足いただける修理サービスを提供いたします。

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雹（ひょう）によるへこみや破損も含め詳しい費用やお見積もりについては、お近くのカーコン店舗までお気軽にご相談ください！

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