パワーウィンドウが動かない…その原因とは

パワーウィンドウは、今や軽自動車からトラックまでほとんどの車で標準装備となっている機能です。

電子制御でモーターの動力をレギュレーター経由で伝えることで、サイドガラスを開け閉めする仕組みになっています。

手動式のウィンドウレギュレーターとは異なり、ワンタッチで開閉できたり運転席から後部座席のウィンドウの開閉ができたりします。

そんな便利なパワーウィンドウも、仕様を続けているうちに故障したうまく作動しなくなるケースもあります。

パワーウィンドウが故障する原因として挙げることができるケースは、以下の通りです。

バッテリーの劣化

モーターはバッテリーの電力を使って動かすため、バッテリーが弱っているとパワーウィンドウの調子が悪くなることがあります。

モーターの不具合

近年は性能の向上により、パワーウィンドウの動力源であるモーターが故障することは少なくなりましたが、それでも経年劣化や負荷の積み重ねによりモーターに異常が生じることがあります。

レギュレーターの故障

レギュレーターとは、モーターの動力をサイドガラスを開閉する力に変換するためのパーツです。

レギュレーターが故障すると、モーターの力がうまくサイドガラスに伝わらなくなってしまいます。

ガラスランチャンネルの劣化

ガラスランチャンネルとは、パワーウィンドウを収納する時の境界部分にあるゴム製パーツのことで、ガラスを挟みこむように保護する役割を果たします。

このガラスランチャンネルが経年劣化や摩擦熱によって変形したり、内側にゴミが溜まったりしてサイドガラスがうまく開閉しなくなることがあります。

スイッチの故障

パワーウィンドウを操作するためのスイッチが故障することもあります。
故障は、内部パーツが劣化することで生じます。

安全装置の誤作動

パワーウィンドウに安全装置として搭載された挟み込み防止機能が、誤作動を起こすことがあります。

ガラスの隙間にゴミが溜まっていたり、ガラスが汚れたりしていると安全装置が誤作動を起こしてガラスが閉まらなくなるというケースです。

この場合、ガラス周りの清掃で解決することがあります。

 

パワーウィンドウの修理はどこに依頼できる？

パワーウィンドウの修理を依頼することができる主な業者は、ディーラー・整備工場・カー用品店・ガソリンスタンドの4種類です。

それぞれ異なる特徴を持つため、依頼先を選ぶ前に各業者について理解を深める必要があります。

ディーラー

ディーラーは自社メーカーの車に関して熟知したスタッフに対応してもらうことができ、接客力も優れているため満足のいくサービスを受けられることがメリットです。

パーツ交換が必要となった場合、手厚いメーカー保証付きの純正品で対応してくれることもあり安心感が高い業者と言えます。

しかし実際の作業は下請けの整備工場が担うため、人件費の事情から工賃が高くなりやすいことはデメリットです。

また、純正品パーツ以外の使用は認められないためパーツを交換するとなれば部品代も高額になります。

整備工場

車の修理・整備を専門的に請け負っている民間の整備工場は、豊富な知識と高い技術力に期待ができます。

作業に関して明確なマニュアルがないからこそ柔軟性に富んだ対応をしてくれることも特徴で、希望や予算に合わせて社外品のパーツを使った修理も対応可能です。

ディーラーよりも工賃は安い傾向にあるため、気軽に相談できる業者の1つと言えます。

ただし、工場によって業者の技術力や対応力に大きな差があることは注意が必要です。

初めて整備工場を利用する際は、口コミや評判などをよくリサーチしながら依頼先を慎重に選ぶことが大切です。

カー用品店・ガソリンスタンド

カー用品店やガソリンスタンドも、店舗によってはパワーウィンドウの修理に対応している場合があります。

カー用品を買ったり給油や洗車をしに行ったりなど、他の目的のついでに修理を相談することができるため他の業者よりも利便性が高いです。

また、工賃も比較的安い傾向にあるため最も気軽に利用できる業者と言えます。

その反面、パワーウィンドウの修理に対応している店舗は多くありません。

対応していても、技術や設備の不足により輸入車など特殊な車両の修理は断られる可能性があるため、事前の確認が必要です。

 

【原因別】パワーウィンドウの修理費用（値段）の相場

パワーウィンドウの修理費用は、故障の原因によって変わります。

バッテリーの劣化

バッテリーの劣化でパワーウィンドウが動かなくなった場合、その他の電装品にも動作不良が起こるため交換が必要です。

新品のバッテリーは平均で2万円程度で販売されており、業者に交換を依頼するとバッテリー代のほかに工賃が500円～1,500円ほどかかります。

モーターの不具合

パワーウィンドウの動力源にあたるモーターに不具合が起こると、窓ガラスの開け閉めができなくなったり操作時に異音が生じたりします。

放置するとパワーウィンドウが完全に動かなくなることもあるため、早めの修理が重要です。

モーターに異常がある場合、修理のためにモーターの交換が必要になります。

パワーウィンドウのモーターの交換費用の相場は3万円ほどです。

レギュレーターの故障

レギュレーターはパワーウィンドウを動かすワイヤーやアームと関連する仕組みとなっており、故障するとパワーウィンドウが動かなくなります。

窓ガラスが動く際に「ガクガク」という異音が発生したり、操作が突然できなくなったりした場合はレギュレーターの修理が必要と考えましょう。

レギュレーターに不具合がある場合、関連するワイヤーあるいはアームを交換する必要があります。

修理費用の相場は、1万円～2万円程度です。

ガラスチャンネルの劣化

ガラスチャンネルはゴム製品であるため、使用を続けると必ず劣化が進みます。

劣化して固くなるとパワーウィンドウの動作が不安定になるうえに、無理に使い続けるとモーターなど他のパーツにも大きな負担がかかります。

そのため、ガラスチャンネルの劣化が見受けられた際は交換が必要です。

交換費用の相場は、1万円～1万5,000円程度です。

スイッチの故障

スイッチが極端にぐらついていたり、完全に動かなくなったりした場合はスイッチの故障が考えられます。

スイッチが故障している場合、修理のためにスイッチ系統を丸ごと交換する必要があります。

交換費用は車種などによって異なりますが、1万5,000円～3万円程度が相場です。

 

パワーウィンドウの修理費用を安くする方法

ここでは、できるだけパワーウィンドウの修理費用を安く抑えるための方法をご紹介します。

業者の特徴と費用相場を知る

車の修理費用の相場は業者によって異なります。それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用相場などを確認することが大切です。

パワーウィンドウの修理ができる業者としては、ディーラー、整備工場、カー用品店などが挙げられます。

ディーラーは手厚いサービスと確実な技術力が期待でき、信頼性や安心感が高いですが費用相場はその分高額です。

街なかの整備工場はディーラーと提携している場合も多く、熟練の整備士が在籍しているので技術力が高い傾向がありますが設備やスピード感は工場によって異なります。

費用はディーラーよりも比較的安い場合が多いです。

カーショップは修理を受け付けている店舗もありますが、整備専門ではないため技術力にばらつきがあるケースもある一方、費用は安い傾向にあります。

複数の業者で見積もりを取る

パワーウィンドウの修理を依頼する場合、複数の業者から見積もりを取って内容を比較検討しましょう。

同じ整備工場であってもそれぞれ修理の方法や人件費などが異なるため、見積もり内容も変わってきます。

不明点などは確認し、納得のできる場所で依頼することが大切です。

 

パワーウィンドウは自分で修理できる？

前述の通り、パワーウィンドウの不具合の原因がバッテリーにある場合は、バッテリー交換で修理できます。

ただし原因がバッテリーにあるかの見極めが必要になるため、自信のない方は業者に相談した方が安心です。

パワーウィンドウのパーツ、つまり内部のモーターやレギュレーター、ガラスチャンネル、スイッチなどに異常がある場合には、修理にドアの分解が必要になります。

ドアノブ・ドアの内張り・ドアの開閉装置を順番に外していき、中の部品の状態をチェックします。
その後は必要に応じて部品交換をするという流れになりますが、一般の方にとっては難易度の高い作業です。

失敗して状態を悪化させないためにも、パワーウィンドウの修理はプロにお任せすることをおすすめします。

 

パワーウィンドウは自分で修理できなくても応急処置は可能

自分での修理は難易度が高いとはいえ、窓ガラスが開いたままの状態では砂ボコリや雨などで車内が汚れるだけでなく、防犯の観点においても望ましくありません。

パワーウィンドウが故障して窓を閉めることができなくなったら、下記の応急処置を試してみましょう。

根本的な解決には至りませんが、一時的にパワーウィンドウが動きその場で窓を閉めることができる場合があります。

スイッチを中間の位置に戻す

パワーウィンドウのスイッチに劣化や不具合が起きている場合、スイッチがどちらかに沈んだまま操作ができなくなります。

このような状態になったら、まずエンジンを切ってキーを抜きましょう。

そのままスイッチを中間の位置に戻し、再びエンジンをかけるとパワーウィンドウが動くようになることもあります。

なお、運転席のスイッチは2段階まで押すことができるため、中間の位置を誤らないように注意が必要です。

併せて、お子様がいる場合はチャイルドロックがかかっていないかどうかも忘れずに確認しましょう。

ドアの内側からモーターに振動を与えてみる

モーターに不具合がある場合、モーターに衝撃を与えることで一時的にパワーウィンドウが動くようになることがあります。

パワーウィンドウのモーターはサイドドアの中央辺りに配置されていることが多いため、エンジンをかけて内側からサイドドアの中央を手で叩いてみましょう。

このとき、パワーウィンドウのスイッチも押し込んでモーターに動作指示を送りながら反応を確認します。

 

 パワーウィンドウを故障させないための対策

こまめに洗車・掃除をする

パワーウィンドウはほこりやごみなどが原因で故障することもあります。

定期的に洗車することに加え、パワーウィンドウ周りの清掃も欠かさないようにしましょう。ガラスランチャンネルをこまめにウェットシートなどで拭き取るだけでも、故障のリスクは下がります。

定期的なメンテナンスを欠かさない

ガラスランチャンネルやモーター、バッテリー、ワイヤーなども経年劣化します。

パワーウィンドウに限ったことではありませんが、定期的にメンテナンスを行い、故障の前段階で対処しておくことが窓落ちなどの大きなトラブルを防ぐ方法の1つです。

ドアの開閉時には窓を全閉する

ドアの開閉時には強い衝撃が伝わるため、パワーウィンドウに負担がかかります。

窓を途中まで閉めた状態でドアを開閉するとガラス部分にかかる負担が大きくなり、故障につながる可能性があります。特にヒンジドアの場合、衝撃が大きくなりやすいため注意が必要です。

ドアの開閉時はできるだけ窓を全閉すると同時に、優しくドアを開閉することを心がけましょう。

修理費用がどうしても高額になるなら買い替えも検討する

使い方や使用頻度にもよりますが、一般的にパワーウィンドウは他の部品と比べて頻繁に故障するものではありません。

そのため、長年乗り続けている車でパワーウィンドウに不具合が起きた場合は車そのものの経年劣化が進んでいると解釈することもできます。

先述した通りパワーウィンドウの故障は修理に高額な費用を要する場合もあるため、修理ではなく車の買い替えを検討するというのも1つの手です。

 

パワーウィンドウ修理ならカーコンビニ倶楽部にお任せ！

スイッチ・モーター・レギュレーターの故障などによるパワーウィンドウの不具合でお困りの方は、カーコンビニ倶楽部にお任せください。

豊富な知識と高い技術力を持ったスタッフが的確にパワーウィンドウの原因を把握し、適切な方法で修理をさせていただきます。

電気系統のトラブルだけでなく窓ガラスの補修・交換にも対応している他、故障を防ぐための日常的なメンテナンスも承っております。

エアコンやシートなどの内装類、足回り、エンジン系統などの修理・点検メニューも幅広く取り揃えておりますので、愛車の不具合でお困りの際はカーコンビニ倶楽部へお気軽にご相談ください。

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