電子化された車検証と紙の車検証の違いとは?メリット・デメリットも解説

2025年03月18日
2023年1月より車検証の電子化が始まり、車検証情報の確認や手続きがより簡単になりました。
一方で、長年、紙の車検証を使用してきた方の中には「電子車検証とは何が違うのか?」と疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車検証の電子化とは何か、紙の車検証との違いなどについて、徹底解説いたします。
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2023年1月から開始された「車検証の電子化」とは
車検証の電子化とは、2023年1月(軽自動車は2024年1月)から開始された、「電子車検証」に車検証情報を記録する方式のことです。
今後、紙の車検証は廃止されてすべての車検証が電子化される予定となっています。
従来の車検証には、用紙に車の情報から所有者の個人情報まですべて記載されており、情報を確認する際はその都度用紙を取り出す必要がありました。
一方で車検証の電子化が始まってからは、オンライン上で情報の確認や更新手続きも可能となりました。
車検証が電子化された背景
車検証を電子化する目的としては、デジタル技術による自動車ユーザーと自動車関係業者の利便性向上(DX化)が掲げられています。
電子車検証があれば、継続検査や変更登録など一部手続きに伴う陸運支局への出頭が不要になるため、手続きにかかる手間を削減することが可能です。
また、国土交通省が導入している自動車関係のオンライン手続きサービス(OSS)の普及促進も目的のひとつと考えられます。
電子車検証があれば、OSSでオンライン手続きをしたあとに車検証を取りに出頭する必要がなくなるため、より便利に活用できると期待されています。
電子化された車検証と紙の車検証の違い
電子化された車検証と紙の車検証は、以下の点に関して違いがあります。
車検証のサイズ
電子化されたといっても完全にオンラインに移行されたわけではなく、紙の車検証が発行されます。
従来の車検証はA4サイズ(297×210mm)でしたが、電子車検証はそれよりも小さなA6サイズ(177.8×105mm)に変わりました。
券面の記載事項
これまでの車検証には、車に関する情報や区分、用途などに加え、所有者情報や車検証の有効期限などが記載されていました。
一方で電子車検証の場合、券面に一部の情報のみが記載されており、その他の情報はICタグに格納されています。
券面と記載事項とICタグに格納されている情報は、以下の通りです。
券面 | ICタグ |
・使用者の氏名又は名称 ・車両識別符号 |
・所有者の氏名又は名称 ・所有者の住所 ・使用者の住所 ・使用の本拠地の位置 ・自動車検査証の有効期間 ・帳票タイプ |
ICタグの採用
電子車検証には、ICタグが採用されています。所有者情報や使用の本拠の位置、車検証の有効期間はICタグに格納され、券面で確認することはできません。
なお、ICタグに格納された情報はパソコンやスマートフォンを使用し、専用アプリで確認することになります。
車検の手数料
車検証の電子化に伴い、車検の手数料も変わりました。
新規検査(完成検査終了将証の提出)と継続検査(保安基準適合証の提出)に関して、手数料が数百円程度引き上げられています。
車検証の電子化によって得られるメリット
電子車検証には、以下のようなメリットがあります。
コンパクトで省スペース
これまでよりもサイズが小さくなったため、保管スペースを取らずに済む点はメリットのひとつといえるでしょう。
特に、グローブボックスがないことが多い2シーターのオープンスポーツカーなどでは、このサイズ縮小の恩恵を大きく感じられるでしょう。
アプリで車検証情報が確認できる
ICタグに格納されている情報はアプリで閲覧できるため、スマートフォンさえあればどこにいても登録情報が確認できます。
従来、車検証の有効期限が気になった場合は、車に積んである車検証もしくはフロントガラスの車検ステッカーを直接確認する必要がありました。
電子車検証なら、車と離れた場所にいる場合でも車検証の情報の一部を確認できます。
リコール情報・車検前通知などを受け取れる
アプリには、所有している車のリコール情報も届きます。
リコールが発生した場合、新車をディーラーから購入しているのであればディーラーから連絡があります。
しかし、中古車になどディーラーを通さずに入手した車に乗っている場合、リコール情報に気付かないことがあります。
リコール情報は安全性に関わる大切なものなので、アプリにこうした情報が届くのは電子化ならではの利点といえます。
また、車検の有効期間が迫るとプッシュ通知で知らせてくれる機能もあります。
車検の更新手続きの時短が期待できる
車検証が電子化されたことによって、運輸支局長などから委託を受けた車検業者は運輸支局に出頭することなく車検証情報の書き換えが可能になりました。
それにより、車検の更新手続きにかかる時間が短縮されることが期待されます。
ワンストップサービス(OSS)に対応している
「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」は、新車新規登録・移転登録・変更登録・各種抹消登録などの手続きをオンラインで行えるサービスです。
2005年に導入が開始されたものの、オンライン手続きのあとで車検証を陸運支局まで取りに行く手間までは省略できずにいました。
電子車検証なら陸運支局に出向かなくても車検証の情報更新を完結できるため、さらにOSSを活用しやすくなります。
車検証の電子化のデメリット
紙の車検証よりも利便性が高い電子車検証ですが、以下のようなデメリットもあります。
更新時または交付対象となる手続きでしか電子化できない
アプリの通知機能などが便利なので、今すぐ電子車検証に切り替えたいと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、電子車検証は今手持ちの従来型車検証を運輸支局などに持参し、電子化できるというものではありません。
電子車検証が交付されるのは、更新時もしくは新規で交付されるに場合に限ります。
そのため、現在車に乗っている場合は次回の継続車検時に電子車検証に切り替わることになります。
閲覧環境を準備する手間がかかる
車検証を電子化すると、ICタグに格納されている、情報を閲覧するための環境を揃える必要があります。
オンラインで電子車検証を閲覧するには専用アプリが必要となりますが、専用アプリは以下の動作環境に該当するデバイスでなければ利用できません。
PC | スマートフォン |
・Windows10 バージョン22H2(64bit版) ・ Windows 11 バージョン22H2 バージョン23H2 |
・ iOS 16、17(iPadは不可) ・ Android 11~14(NFC対応機種) |
なお、PCで閲覧する場合はMicrosoftアカウントを作成し、Microsoft Storeからアプリをインストールする必要があります。
電子化しても携帯義務はそのまま
「電子車検証」といっても完全に電子化されたわけではなく、紙の車検証が発行され、公道走行時の携行義務はそのまま残されました。この点に疑問を感じる方も多いようです。
せっかく電子化するのであれば、完全に電子化して携帯しなくてもいようにする、もしくはICタグを車のどこかに取り付ける、などが可能であればさらに利便性が高まり歓迎の声も大きくなったではないでしょうか。
アプリ情報は引き継げない
車検証閲覧アプリは、2025年1月の時点では設定情報などの引継ぎに対応していません。
そのためスマートフォンの機種変更をした場合には、改めて車検証の読み取りや設定をしなければならず、手間がかかります。
電子車検証を保管する際の注意点
電子車検証はICタグが搭載されており、破損すると情報が読み込めなくなります。
保管の際は、電子車検証が以下のような状態にならないように注意が必要です。
・直射日光に当たる場所での保管
・電子車検証が折れ曲がる
・ICタグが切り取られる
従来の車検証と同じく、グローブボックスに収納することをおすすめします。
また、電子車検証が水に濡れたときは、熱を加えることはせず自然乾燥で対処しましょう。
電子化した車検証で情報を確認する方法
電子車検証で情報を確認する場合は、PCまたはスマートフォンに専用アプリをインストールしておきましょう。
アプリをインストールしたら、以下の手順で情報を確認します。
1 専用アプリを開く
2 券面に記載されているセキュリティコードを入力する
3 ICタグを読み取る
4 画面上に情報が表示される
なお、インターネット通信が不可の状態ではリコール情報などは閲覧できず、ICタグに格納されている情報だけが表示されます。
車検証の電子化についてよくある疑問
最後に、車検証の電子化に関するよくある疑問について解説いたします。
電子車検証の有効期限はどこで確認できる?
電子車検証の有効期限は、ICタグに格納されています。
ICタグに格納されている情報は、車検証閲覧アプリから確認が可能です。
電子車検証のコピーはできる?
電子車検証の券面をコピーすることはできます。
ただし、コピー機の自動原稿送り機能を使うとICタグが折れ曲がる可能性があります。
コピーの際は、ガラス台に電子車検証を置いてスキャンさせましょう。
電子車検証は車検のたびに発行される?
電子車検証は、車検のたびに発行されることはありません。
車検に伴う情報の更新は、電子車検証に貼り付けられたICタグに記録されます。
そのため、車の所有者・使用者など大枠の情報が変わらない限り、一度発行された電子車検証をずっと使い続けることができます。
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