【2023年版】ハイブリッド車の自動車税は安い?税額を早見表と一緒に解説
2023年08月14日
ハイブリッド車は燃費性能が高く、様々な面で負担を抑えられる特徴があります。燃費性能の高さもその1つですが、性能によっては自動車税(種別割)などの各種税金の減免措置があることもハイブリッド車のメリットと言えるでしょう。今回はそんなハイブリッドの自動車税についてご紹介します。
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「ハイブリッド車は自動車税が減税になる」は本当?
ハイブリッド車と言えば、リッター40キロなどの圧倒的な低燃費に目が行きやすいですが、自動車税(種別割)をはじめとする各種税金面においても優遇されています。
ハイブリッド車は「グリーン化特例」で自動車税が優遇される
グリーン化特例とは、ハイブリッド車などの環境負荷が少ない環境性能に優れた車の普及推進のために設けられた特例措置で、燃費性能に応じて自動車税(種別割)が減免される制度です。
なお、減免措置が受けられるのは取得した翌年度分の自動車税(種別割)のみで、毎年減免が受けられるわけではありません。
2021年4月から基準が厳しくなり、減免される対象となるのは2021年4月から2023年3月末までに登録された車のうち、2020年排出ガス基準50%低減達成、または2005年排出ガス基準75%以上低減達成している電気自動車、燃料電池車、天然ガス車、クリーンディーゼル車、プラグインハイブリッド車に限られます。
【2023年版】自動車税(種別割)の税額早見表
自動車税(種別割)は毎年4月1日の時点で車を所有している人に課せられる税金で、税率は排気量によって異なります。
自動車税(種別割)を滞納していると車検が受けられなくなる、最終的には財産を差し押さえられることもあります。
排気量別の税額は以下のとおりです。
総排気量 | 新車登録時期 | |
2019年9月30日まで | 2019年10月1日以降 | |
排気量1000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
排気量1000cc超~1500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 |
排気量1500cc超~2000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 |
排気量2000cc超~2500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 |
排気量2500cc超~3000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 |
排気量3000cc超~3500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 |
排気量3500cc超~4000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 |
排気量4000cc超~4500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 |
排気量4500cc超~6000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 |
排気量6000cc超 | 111,000円 | 111,000円 |
軽自動車 | 10,800円 | 10,800円 |
自動車税(種別割)は、車の取得時期によっても税額が変わるので注意が必要です。
なお、電気自動車やハイブリッド車など、一定の燃費性能や排ガス性能を満たしている車は税金の軽減措置が受けられます。
ハイブリッド車は13年以降の自動車税の増税も免除される
毎年の納税義務がある自動車税(種別割)は新車登録から一定の年数が経過すると税額が上がりますが、燃費性能に優れたハイブリッド車の場合はどうなるのでしょうか。
グリーン化特例による重課
グリーン化特例は、環境性能に優れた車の普及推進を目的としています。車の燃費性能、環境性能は年々向上しているため、一般的に新しい車ほど環境負荷は少ない傾向にあります。
また、経年劣化が進んだ車は本体の性能を十分に発揮できないことも多いです。
一般的な車の寿命とみなされる13年程度で環境性能の優れた新しい車への乗換えを促すために、登録から13年経過した車は重課となり税額が高くなります。
13年経過した自家用乗用車の場合、重課率は概ね15%、軽自動車は概ね20%です。
ハイブリッド車は重課の対象外
自動車税(種別割)の重課対象となるのはガソリン車、LPG車、ディーゼル車(ディーゼル車のみ11年超で重課)であり、電気自動車やハイブリッド車は13年以上が経過していても増税されることはありません。
増税は、現在の車両に比べて古い車両の方が環境に与える影響が大きいことから設けられていることから、ハイブリッド車のような環境に考慮された車両には増税が当てはまらないことが主な理由と考えられます。
【参考】13年経過の考え方
車の13年超過の考え方は普通車と軽自動車で変わり、普通車の場合は新車登録した年月から12年11ヵ月以降に車検証の交付を受けた時点、軽自動車の場合は新車登録の年月から13年が経過した年の12月以降に車検証の交付を受けた時点と定められています。
つまり、2022年4月に新車登録した場合、普通車の場合は2035年3月、軽自動車の場合は2035年12月で13年経過となります。
ハイブリッド車で優遇されるのは自動車税だけではない
ハイブリッド車を対象に減税措置が設けられている税金は、自動車税の他にも「自動車重量税」や「環境性能割」があります。
自動車重量税とは車両重量の増加に応じて課せられる税金で、新車購入時と継続車検のタイミングで支払います。
自動車税と同じく経過年数が13年を超えると増税されますが、ハイブリッド車はその対象外です。
環境性能割は、2019年に廃止された「自動車取得税」の代わりとなる税金です。
自動車取得税と同じく車を取得した際に課せられますが、環境性能の高さに応じて減税または免税されます。
【2023年版】ハイブリッド車を含む自動車重量税の税額早見表
新車購入から2年後の「継続検査」における自動車重量税の税額は、以下の通りです。
2年自家用(継続検査) | ||||
車両重量
(単位:t) |
エコカー
(本則税率) |
エコカー外(単位:円) | ||
右以外 | 新車登録から13年超 | 新車登録から18年超 | ||
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
0.5以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
上記の通り、一定の基準に達している車はエコカー減税の対象になります。
エコカー減税とは
グリーン化特例が自動車税(種別割)に対する減税措置であったのに対し、エコカー減税は一定の燃費基準に達している車の自動車重量税を減税する措置を指します。
なお、減免となる基準はグリーン化特例とは異なります。
エコカー減税における適用対象と軽減税率の内容は、以下の通りです。
対象・要件等 | 特例措置の内容 | |||
・電気自動車
・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 (平成30年排出ガス規制適合) ・プラグインハイブリッド自動車 |
免税 |
|||
クリーンディーゼル車
(ハイブリッド車を含む) |
免税 | |||
令和12年度燃費基準 | ||||
60% | 75% | 90% | 120% | |
ガソリン車・LPG車
(ハイブリッド車を含む) |
25%軽減 | 50%軽減 | 免税 | 免税 |
※適用期間:令和5年5月1日~令和5年12月31日
※参考:国土交通省「エコカー減税 (自動車重量税) の概要」
なお、エコカー減税の適用対象となる基準は、2024年1月1日と2025年5月1日に改められる予定です。
【2023年版】ハイブリッド車を含む環境性能割の税率早見表
環境性能割の税率は、燃費性能の他に「自家用車か営業車か」によっても変わります。
自家用車・営業車それぞれにおける燃費性能ごとの税率は、以下の通りです。
自家用車
対象車 | 税率 | |||
普通自動車 | 軽自動車 | |||
・電気自動車
・燃料電池自動車 ・プラグインハイブリッド車 ・天然ガス自動車 (一定の基準を満たした場合) |
非課税 |
非課税
|
||
・ハイブリッド車 ・ガソリン車 ・LPG車 |
平成30年排出ガス基準50%低減達成車
または
平成17年排出ガス基準75%低減達成車
|
かつ、令和12年度燃費基準85%以上達成車 |
非課税 |
非課税
|
かつ、令和12年度燃費基準75%以上達成車 |
1% |
非課税
|
||
かつ、令和12年度燃費基準60%以上達成車 |
2% |
1% |
||
上記以外または令和2年度燃費基準未達成車 | 3% | 2% |
※令和5年12月31日まで適用
※参考:北海道総務部財政局税務課「自動車税環境性能割」
営業車
対象車 | 税率 | |||
普通自動車 | 軽自動車 | |||
・電気自動車
・燃料電池自動車 ・プラグインハイブリッド車 ・天然ガス自動車 (一定の基準を満たした場合) |
非課税 |
非課税
|
||
・ハイブリッド車 ・ガソリン車 ・LPG車 |
平成30年排出ガス基準50%低減達成車
または
平成17年排出ガス基準75%低減達成車
|
かつ、令和12年度燃費基準80%以上達成車 |
非課税 |
非課税
|
かつ、令和12年度燃費基準75%以上達成車 |
非課税
|
非課税
|
||
かつ、令和12年度燃費基準70%以上達成車 |
0.5%
|
0.5%
|
||
かつ、令和12年度燃費基準65%以上達成車 |
0.5% |
0.5% |
||
かつ、令和12年度燃費基準60%以上達成車 |
1% |
0.5% |
||
かつ、令和12年度燃費基準55%以上達成車 |
2% |
1%
|
||
上記以外または令和2年度燃費基準未達成車 | 2% | 2% |
※令和5年12月31日まで適用
※参考:東京都主税局「自動車税環境性能割」
ハイブリッド車の自動車税・自動車重量税の減税はいつまで?
グリーン化特例は2023年3月30日、エコカー減税や環境性能割の現行税率は2023年3月31日で終了する予定となっていました。
しかし半導体不足による新車の納期遅れが発生している現状を考慮し、各制度における現行基準の期限に延長措置が取られています。
これにより、グリーン化特例の適用基準は2026年4月1日、エコカー減税と環境性能割の適用基準は2024年1月1日に刷新される予定に変更されました。
さらにエコカー減税の基準は2025年5月1日、環境性能割の基準は2025年4月1日にも変更が予定されており、いずれも基準が厳しくなっていく見込みです。
ハイブリッド車の自動車税の優遇は期間中ならいつまでも続くわけではない
ハイブリッド車や電気自動車などの燃費性能、環境性能に優れた車は税金の優遇が受けられますが、車を維持している限り優遇が続くわけではありません。
エコカー減税は性能に応じて初回車検もしくは2回目の車検まで、グリーン化特例は取得した翌年度までなので、いずれはガソリン車と同等の税金を支払うことになります。
税金が気にならない車の乗り方もある
車の税金の負担は軽いものではありません。毎年の納税時期にまとまった金額を用意しなければならないことに加え、車検時にも法定費用に加え車検基本料や整備費用、部品代などがかかります。
そういった税金などの維持費が気にならない車の乗り方として、カーリースが近年注目を集めています。
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ハイブリッド車は低燃費や自動車税の優遇措置以外にもメリットがある
環境負荷が小さい
ハイブリッド車を選ぶ大きなメリットは、低燃費で燃料費が抑えられることといえます。
もちろん、家計の負担を軽くしてくれることはとても大切ですが、ハイブリッド車はガソリン車と比較すると環境負荷が小さいため、SDGsの貢献にもつながります。
そのため燃料費はそれほど気にならないという方でも、未来の地球のためにハイブリッド車や電気自動車を選ぶ意義はあるといえます。
非常時の備えになる場合も
一部のハイブリッド車には、非常給電機能があるコンセントが搭載されています。これはガソリン車にしかないハイブリッド車や電気自動車ならではの装備です。
停電時でも電気製品が使えるので、スマートフォンの充電や電気ポットでお湯を沸かすことができます。自然災害が増えている昨今、非常時の備えとして心強いのではないでしょうか。
ブレーキパッドの減りが少ない
ハイブリッド車は回生ブレーキを使用するため、ガソリン車に比べるとブレーキパッドの減りはかなり少ないといえます。
メンテナンスの頻度が下がるので、メンテナンス費用の節約にもつながるでしょう。
静粛性が高い
ハイブリッドのモーター走行時はエンジン音がしないため、非常に静かです。車が近付いてくるのがわからないので車両接近装置の搭載が義務づけられているほどです。
そのため、住宅地で早朝や深夜に車を走らせる必要がある方などは重宝するでしょう。中にはエンジンの始動を極力抑えるサイレントモード、マナーモードといった機能が搭載されている車種もあります。
リセールバリューが高い傾向がある
ハイブリッド車は元々ガソリン車よりも車両本体価格が高く設定されていることに加え、中古車市場でのニーズも高いのでリセールバリューが高い傾向にあります。
将来的に手放すことも視野に入れているのであれば、メリットのひとつといえます。
自動車税の減免や低燃費が魅力のハイブリッド車にもデメリットがある
燃費や税金などハイブリッド車には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
ガソリン車よりも車両本体価格が高い
ハイブリッドシステムの構造上、部品の数が多くシステムが複雑になることから、ハイブリッド車は車両本体価格が高い傾向にあります。
そのため購入の際はガソリン代や減税によってお得になる金額が、ハイブリッドとガソリン車の差額に見合った価値があるのかしっかり検討しなくてはなりません。
修理費用が高くなる傾向がある
複雑なハイブリッドシステムで部品点数が増えると、その分同じ整備でも脱着する部品点数が増え工賃が高くなる可能性もあります。
ハイブリッドシステムが搭載されているためエンジンルームがより複雑化し、脱着する部品が増えるなど作業時間が長くなることが主な原因です。
なお、ハイブリッド車や電気自動車の電気を扱うメイン部品は特定の整備士でないと取り扱いできない場合もあります。
ハイブリッド車は燃費や減税によるコストパフォーマンスには期待ができますが、もしものトラブルの際にかかる整備費といった面ではデメリットになる可能性が考えられます。
高速走行が多い場合はハイブリッドのメリットは薄い
ハイブリッド車は減速時に発生するエネルギーを電力に代えて使用するため、ストップ&ゴーを繰り返す街中での恩恵が大きいといえます。
長時間高速走行を続ける場合は回生ブレーキによる蓄電ができず、エンジンを動かし続けているケースも少なくありません。
また高速はエンジンの得意領域でありモーターよりもエンジンの効率が良いため、高速走行がメインという車の使い方をする方は思ったほど燃費が良くない、と感じる可能性があります。
ハイブリッド車の自動車税に関してよくある質問
ハイブリッド車の自動車税に関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
Q1.ハイブリッド車の自動車税の初年度はいくらですか?
普通自動車の場合、燃費性能に応じて通常の自動車税額から50%軽減または75%軽減の措置が取られます。
軽自動車は燃費性能に応じて、通常の自動車税額から50%軽減または25%軽減されます。
どちらも適用期間は初回登録の翌年度1年間のみです。
Q2.ハイブリッド車の自動車税は増税されないのですか?
13年経過した自動車の増税は、古い車が環境に大きな負荷を与える可能性を考えて設けられた制度です。
近年の燃費基準を達成している電気自動車やハイブリッド車は、13年経過しても環境に与える負荷が比較的小さいと考えられるため増税の対象外となっています。
Q3.ハイブリッド車の減税は中古でも適用されますか?
燃費基準を達成しているハイブリッド車であれば、中古でも自動車税・自動車重量税・環境性能割の減税対象となります。
Q4.1800ccハイブリッド車の自動車税はいくらですか?
1800ccハイブリッド車の自動車税は、通常であれば39500円とされています。
そのため75%の減税対象となる基準を満たしていれば9,875円、50%の減税対象となる基準を満たしていれば19,750円になります。
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車を所有すると自動車税に加えて自動車重量税などの税金が継続的にかかるうえに、購入時に環境性能割による税負担も発生します。
燃費性能に応じて免税・減税される制度の恩恵があるハイブリッド車は節税を重視する方におすすめな選択肢ですが、適用基準は将来的に厳しくなる見込みです。
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