車検では具体的になにが行われる？

ひと口に車検と言っても、車検には陸運支局で行われるものと、国土交通省から民間車検場の認可を受けた指定工場で行われる民間車検があります。どちらで受けても検査基準は国の安全基準が基になっているので、検査内容に変わりはありません。

車検で検査されるのはヘッドライトの光軸やブレーキの制動力、スピードメーターの正確さや排ガス濃度、排気音の大きさ、保安部品の作動確認などです。

検査場が込み合う時期は検査機器への車両入れ替えに時間がかかり、車検の予約が取れないことがありますが、検査自体に時間がかかるものではありません。車検に時間がかかるのは、整備工場で行う法定点検や修理を含む整備作業、不適合箇所の追加整備だと言えます。

新車と中古車や年式などで自動車のコンディションが大きく異なりますし、輸入車や特殊な車両は、修理や整備に必要となる交換パーツを取り寄せるのにも時間がかかります。

車検を簡単に済ませたい方の自動車と、車検のついでにしっかりと点検整備を済まして欲しいと考える方の自動車では、当然、点検整備に費やす時間が異なります。車検に必要な時間は約一週間と言われていましたが、現在は即日車検を掲げる車検業者も登場し、多様化しています。

車検を簡単に済ますためには、短時間で車検をクリアする業者の情報を掴んでおく必要があると言えるでしょう。

業者ごとに異なる車検の所要時間

先ほど述べたとおり、車検に必要となる時間は車検そのものよりも点検や修理を含む整備作業、不適合箇所の再整備などに費やされます。また、車検に必要な時間は車検サービスを提供する業者が多く存在する現在は車検の依頼先によっても異なります。

車検の依頼先として挙げられるのはディーラー、フランチャイズ店、民間整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなど一般的です。依頼先ごとの車検に必要な目安時間は次のとおりとなります。

ディーラー

多くのディーラーは社内の整備工場が国土交通省加から民間車検場の認可を受けているので、ディーラー内の工場で車検を行います。ディーラー車検に必要な時間は３日前後が目安ですが、混み合う時期には１週間程度の時間がかかる場合もあります。

フランチャイズ店

即日車検やスピード車検を掲げるフランチャイズ店も、民間車検場の認可を受けた整備工場を持っているケースが多く、予約や点検、整備などをシステム化して時間短縮に特化していると言えます。車検に必要な目安時間は事前に予約、点検を行っていれば30分から180分程度です。

民間整備工場

民間整備工場は民間者車検場の認可を受け、工場内で車検が行える「指定工場」と、点検整備は工場内で行い、車検場に自動車を持ち込む「認定工場」があります。中古部品の利用など柔軟な対応が可能で、車検の目安時間は３日前後です。

カー用品店

チェーン展開する大型カー用品店では、店舗によっては当日中に車検が終了するところもあります。店内の整備工場が民間車検場となっており数時間から１日で車検が完了させることができますが、予約が必要なケースが多い傾向にあります。

ガソリンスタンド

近年はガソリンスタンドも車検サービスを提供する店舗が増加している傾向にあります。大型店舗では店内の整備工場が民間車検場の認可を受け即日車検を実施していますが、工場を持たない店舗では受付を行ってから外部工場に点検整備を依頼するので、３日前後かかる場合があります。

なお、即日車検を実施している店舗の場合は混雑や人員の状況にもよりますが、早くても2～3時間の作業時間を要します。

ユーザー車検

業者に車検を依頼せず、管轄の運輸支局へ車を持ち込んで係員の指示に従いながら自分で車検を行う方法です。

特に車に異常がなければ、2～3時間で終わります。

メリットとしては車検費用を抑えることができるうえ、車検を通して自分の車や税金・保険料に関する理解が深まるという点です。

ただし、運輸支局に車を持ち込むことができるのは平日の日中帯に限られているので、土日や祝日でしか時間を作れないという方には難しい方法と言えます。

また、必要書類の用意もしなければならないため手間がかかるというデメリットもあるのです。

車検に時間がかかる理由とは

車検は様々な理由から時間がかかってしまいがちですが、中でも代表的な理由は以下の3つが挙げられます。

依頼先によっては整備項目が多く設定されている

車検の依頼先によって整備項目は異なり、多いほど丁寧に車検を行ってくれる分時間も長くかかってしまうものです。

これは特にディーラーへ車検を依頼した際に多くみられるパターンで、万が一車検に不備が発生すればメーカーの信用問題にかかわってくるという事情が背景にあります。

質の高い車検を行ってもらいたい場合は整備項目が多く設定されているディーラーへ依頼しても良いですが、時間の短縮に重点を置いている方にはおすすめできません。

店舗が混雑している

車検希望の方で店舗が混雑していることも、車検の時間が長引く原因と言えます。

特に洗車や給油をメインとしているガソリンスタンドでは車検の優先度が低くなるため、車検まちのお客さんが重なり混雑しやすい傾向にあります。

車検には繁忙期と閑散期があり、1年の中で混雑のピークを迎える時期は車が多く売れる12月と3月と言われています。

また、月の繁忙期ピークを避けたい人が増える影響から2月も3混雑しやすいです。

一方で、5月～10月の間は比較的車検が混雑しにくい閑散期と言われています。

整備士の人手不足

車検を依頼する業者や店舗の規模が小さい場合、車検を行う整備士の数も少ないことが考えられます。

特に小規模で運営している業者の多い整備工場ではよくみられるケースで、混雑時は車検が重なる影響に加えて整備士の人手が足りないことからさらに時間がかかってしまいがちです。

一方、車検専門店や大型カー用品店であれば整備士の人数が多いため、比較的スムーズに車検を終わらせてくれるでしょう。

車検の時間を短縮する方法

車検を受ける際に大切なことは、依頼先への事前予約です。

当日に飛び込みで車検を依頼すると、店舗に在庫のない部品を交換する必要が生じた際に取り寄せをしなければなりません。

店舗へ部品が届くまでに日数を要するため、車検の時間が長引く原因となります。

また、1日で車検の受付可能な台数が定められている店舗の場合、来店したタイミングでその台数を超えていた場合は翌日以降の作業に回されてしまいます。

余裕をもってスケジュールを調整したうえで、事前予約をしておけば上記のような事態は回避できます。

よりスムーズに車検を済ませたい方は、車検の所要時間が比較的短い専門業者へ依頼する、もしくは、平日に時間を取ることができる方は平日の予約をおすすめします。

週末や祝日は通勤・仕事で車を使用している方が職場の休みの日を狙うことから混雑しやすく、時間も長引く傾向にあるからです。

なお、先ほども述べたように運輸支局は週末や祝日は開いていないため、ユーザー車検を行う方は平日に時間を取るしかありません。

車検の時間を短縮したいならカーコンビニ倶楽部車検を予約しよう！

車検に合格したことを証明する車検証は国内での自動車運行に絶対に必要なものですが、飛び込みで整備工場に申し込んでも予約が難しいことは珍しくなく、予約順に車検が行われるため、車検の有効期限が迫り、頭を抱える方も少なくありません。

直前に飛び込むと車検整備や追加整備に「どのくらいのコストが必要となるか？」の打ち合わせが難しくなり、請求書を見て驚く結果になりかねません。事前の法定点検を基にした見積もりを確認して予約を行えば、日程調整が簡単で費用や時間的コストを抑えられます。

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