車のチッピング塗装とは?メリット・デメリットからやり方まで解説

2025年06月16日
車の塗装方法にはさまざまな種類がありますが、中でも個性を引き立てたい方に人気なのが「チッピング塗装」です。
表面に凹凸があり、ツヤを抑えた仕上がりが特徴のチッピング塗装は、愛車に独特の存在感を与えてくれます。
ただし、手入れや管理方法には注意すべき点があります。
この記事では、チッピング塗装とは何か、メリット・デメリット、さらにはDIYでの塗装方法についても詳しくご紹介します。
「自分の車に取り入れてみたい!」という方は、ぜひ参考にしてください。
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車のチッピング塗装とは?
チッピング塗装とは、研磨やクリア塗装を行わず、表面にあえて凸凹を残したマットな仕上がりが特徴の塗装方法です。
ザラつきのある質感とツヤを抑えた外観により、無骨で重厚な印象を演出できることから、アウトドア志向の車やカスタム車などで人気を集めています。
なお「チッピング」という言葉はもともと、飛び石などで塗装がはがれる「塗装の欠け・損傷」を意味していました。
しかし近年では、その質感に着目したマット塗装や防錆目的の塗装を「チッピング塗装」と呼ぶケースも増えており、用語として広がりつつあります。
車にチッピング塗装を施すメリット・デメリット
チッピング塗装のメリット
チッピング塗装を施すことで、以下のようなメリットが得られます。
・派手なカラーにしなくても存在感を際立たせることができる
・種類によっては耐久性や防錆性能に優れている
一般的な車にはクリア塗装がされているため、街で見かける車の大半は光沢感があります。
その中で、マットな質感のチッピング塗装が施された車はかなりの存在感を与えます。
したがって、派手なカラーリングにしなくても個性を演出できることが大きなメリットです。
また、チッピング塗装用の塗料は耐久性や防錆性能に優れている製品もあり、愛車が錆びにくくなる効果に期待ができます。
チッピング塗装のデメリット
チッピング塗装は主に美観の面でメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
・表面に汚れが溜まりやすくなる
・手洗い洗車でしかお手入れができない
チッピング塗装は表面がザラザラとしているため、汚れが溜まりやすいという特性があります。
したがってこまめな洗車が重要な一方、塗装がクリア塗装で保護されていないことから、塗装にダメージを与えないために手洗いで洗車する必要があります。
通常よりも車の維持に手間とコストがかかるため注意が必要です。
チッピング塗装した車のお手入れ方法
チッピング塗装後の車は、一般的な塗装を施した車よりも慎重にお手入れすることが大切です。
以下のポイントを押さえながら、チッピング塗装特有の仕上がりを保ちましょう。
洗車時は柔らかい素材の道具を使う
ザラザラとした表面は汚れが付きやすいため、こまめな洗車をおすすめします。
ただし、カーシャンプーはコンパウンドなどの研磨剤が配合されている場合があるため、なるべく使用せずに水洗いだけで済ませることをおすすめします。
水洗いした後は、すぐに柔らかい布で優しく拭き上げましょう。
また、カーシャンプーと同様に仕上げのワックスも使用を避けましょう。
ワックスにはツヤを出す効果があるため、チッピング塗装の質感を損ねてしまいます。
汚れや水シミなどがついたらすぐに落とす
チッピング塗装を施した車の洗車作業は慎重を期す一方、洗車を避けることも望ましくありません。
表面が凹凸になっているため、汚れや水シミが隙間に入り込むと除去が困難になります。
ボディの表面に汚れや水シミなどを確認したら、速やかに洗車を行いましょう。
カーシャンプーを使うなら中性または弱酸性
どうしても水洗いだけでは落とせない汚れが付着した場合、塗装に優しい中性または弱酸性のカーシャンプーを使用しましょう。
ただし、コンパウンド(研磨剤)やワックス成分が含まれたカーシャンプーは使用を避けましょう。
これらは塗装表面を削ってしまったり、凹凸のある塗膜を埋めてしまったりする可能性があり、チッピング塗装本来の質感や仕上がりが損なわれてしまう恐れがあります。
クロスやスポンジの素材にも注意する
チッピング塗装の仕上がりを保つためには、摩擦には特に注意しましょう。
洗車時のクロスやスポンジは必ず柔らかい素材のものを選び、水分を含ませた優しく撫でるように使いましょう。
洗車後は入念に拭き上げを行う
洗車後は、ボディに一切の水気を残さないよう入念な拭き上げを行うことも大切です。
塗装の種類を問わず共通するポイントですが、ボディに水道水が残っていると、蒸発した際にミネラル分が残留して水シミになってしまう可能性があります。
また、雨水にもミネラル分が含まれているため、洗車後だけでなく雨天時の走行後も忘れずに拭き上げを行いましょう。
車は屋内で保管する
可能な限り、チッピング塗装を施した車は屋内での保管を心がけましょう。
屋外に保管していると、雨・砂ぼこり・花粉など様々な外的要因に晒され、汚れが付きやすくなるだけでなく、塗装の劣化も早まります。
どうしても屋内での保管が難しい場合は、後述するチッピング塗装専用のコーティング施工をおすすめします。
万が一のときにすぐ剥がせる「ラッピング塗装」もおすすめ
チッピング塗装は独特の質感が魅力ですが、一度傷や汚れが付くと、再塗装しなければ元の状態には戻せません。
しかし、どれだけ注意していても傷や汚れは避けられないもの。そのたびに再塗装をするのは、コストも手間もかかります。
チッピング塗装に興味はあるけれど、維持管理に手間をかけたくない…と感じている方は、ボディに直接塗装を施さない「ラッピング塗装」がおすすめです。
マットな質感のフィルムを貼り付けるラッピング塗装は、直接塗装するよりも短時間で施工が可能です。
また、傷や汚れが気になった際はフィルムを剥がすだけで元の状態に戻せるのが大きなメリットです。
さらに、新車の状態から施しておけば、マットな見た目を楽しみながら、塗装面を保護する効果も期待できます。
ただし、ラッピング塗装でも汚れは付きやすいため、こまめなお手入れは必要です。
チッピング塗装した車のコーティングについて
チッピング塗装を施した車には、表面にコーティング加工をすることをおすすめします。
汚れが付着しにくくなるため、こまめに洗車をしなくてもキレイな状態が長持ちするためです。
万が一汚れが付着しても、軽い洗車ですぐに落とすことができます。
しかし、チッピング塗装は一度コーティングに失敗するとやり直しがきかないのが難点です。
表面に凹凸があるため、コーティング剤を均一に塗布するのが非常に難しく、ムラになりやすいという特性があります。
また、ムラを避けようとしてコーティング剤を少量ずつ塗っても、十分な保護効果を得られない場合が多く、効果を最大限に発揮できません。
加えて、表面の質感が独特なため、失敗した際に研磨でやり直そうとしても、元の風合いを損ねてしまう可能性が高いのです。
チッピング塗装にかかる費用相場
車にチッピング塗装を施す手段は、大きく分けて「業者への依頼」と「自分で塗装」の2通りがあります。
ここでは、それぞれの手段にかかる費用の相場をご紹介いたします。
業者に依頼した場合
業者にチッピング塗装を依頼する場合、車のサイズ・車種・業者ごとの施工方法によって費用が変わります。
例えば全塗装の場合、軽自動車・コンパクトカークラスなら200,000円程度、大型のミニバン・SUVなら350,000円程度が相場です。
一方でドアなどをすべて閉めた状態で見える範囲など、部分塗装であれば100,000円程度で施工可能な業者もあります。
チッピング塗装は、業者へ依頼すると自分で塗装した場合よりも費用が高くなりやすいです。
それでも失敗のリスクは低く、美しい仕上がりに期待ができるため、美観を重視する方なら多少の費用をかけてでも業者への依頼がおすすめです。
自分で塗装した場合
費用を抑えることを重視する場合、自分で塗装を行う方法もあります。
プロのような仕上がりを目指す場合はスプレーガンとコンプレッサーを使用しますが、専用の機材が必要なため一般の方にはハードルが高めです。
そのため、多くの場合は刷毛やローラーを使って塗料を塗る方法が採用されており、総額で10,000〜20,000円程度で行えます。
また、ラッピング塗装を自分で行う方法もあります。専用のシートを車体に貼り付けるラッピングは、施工の難易度はやや高いものの、40,000〜60,000円程度が目安となります。
自分で車にチッピング塗装することはできる?
チッピング塗装は独特な手順を踏まえて行う必要があるため、一般的には専門店への依頼がおすすめです。
しかし正しい方法を理解していれば、自分で行うことも不可能ではありません。以下よりチッピング塗装の手順をご紹介いたします。
自分の手で塗装してみたい方、塗装にかかる費用をできる限り抑えたい方は挑戦してみてください。
専用の塗料でチッピング塗装する場合のやり方
本格的な仕上がりに近いチッピング塗装をするなら、チッピング塗装用のスプレー塗料を使用しましょう。
チッピング塗装用スプレーを使った塗装のやり方は、以下の通りです。
1.下地処理をする
塗装の前に、まずは洗車でボディ表面の汚れや油分を落としましょう。
洗車後は、400番のサンドペーパーで研磨します。
塗装前に研磨する工程は「足付け」と呼ばれ、塗装の密着性を高める・表面にざらつきを与えるために必要です。
足付したら削りカスを除去して、脱脂しましょう。
2.プライマーを塗布する
次に、プライマーを塗布します。
車の塗装におけるプライマーとは下塗りに用いる塗料のことで、上塗り塗料の密着性を高めるために必要です。
スプレーをボディから15~20cm程度離し、均一かつ薄く重ね塗りしましょう。
3.スプレーでチッピング塗装する
プライマーが乾燥したら、チッピング塗装用のスプレーをボディに吹きつけます。
プライマーと同様の距離から、2~3回程度薄く塗り重ねることが大切です。
なお、塗り重ねる際は5~10分程度乾燥させます。
4.塗装を乾燥させる
塗装を終えたら、塗料が完全に乾燥するまで放置します。
塗料や保管場所の条件にもよりますが、完全乾燥には数日~1週間程度の期間が必要です。
乾燥が足りないと仕上がりが悪くなるだけでなく、耐久性も落ちてしまいます。
ラッピングでチッピング塗装をする場合のやり方
手軽にチッピング塗装をするなら、ラップフィルムを貼り付ける方法で塗装を施しましょう。
ラッピングによるチッピング塗装のやり方は、以下の通りです。
1.ラップフィルムをカットする
まずは洗車でボディの汚れや油分を落としてから、脱脂処理を行います。
そのうえでラップフィルムを貼りたい位置に被せ、必要なサイズにカットします。
カットするときは、ボディに傷をつけないようフィルムを浮かせながら慎重に進めましょう。
2.車にラップフィルムを貼り付ける
ラップフィルムをカットしたら、裏面のリケイ紙をゆっくりと剥がし、端から慎重に貼り付けましょう。
貼り付ける範囲が広い場合は、複数人で行うとよりきれいに仕上げやすいです。
ヘラなどで内側に入った空気を押し出しつつ、ゆっくりと作業を進めていきましょう。
3.ヒートガンを当てる
曲面にラップフィルムを貼り付けるときは、上からヒートガンで熱風を当てましょう。
これにより、フィルムが側らかくなって曲面にも貼りやすくなります。
最後にフィルムの余った部分をパーツの裏側へ巻き込むように張り、ヒートガンで密着させて余分な部分を切り取れば作業完了です。
自分で車のチッピング塗装を行う場合のデメリット
業者に依頼した場合と比べて、自分で行うチッピング塗装は費用が大幅に抑えられる点はメリットです。
しかし、万が一塗装に失敗すると補修のために再塗装が必要となり無駄な出費が発生します。
また、先述したように、塗装の際はボディ以外の箇所に塗料が付着しないよう丁寧にマスキングを行う必要があります。
そのうえで下地塗装・カラー塗装を行い、1日以上の長い時間をかけた乾燥が必要です。
車の塗装に慣れていない人ほど失敗のリスクが高いと同時に、作業の時間も長引きます。
上記のデメリットから考えると、車の塗装は無理に自分で行わず業者に依頼をした方が賢明です。
費用を抑えて車のチッピング塗装をする方法
チッピング塗装に使用される塗料は特殊なものが多く、高級外車やカスタムカーに用いられることもあるため、費用は高くなりがちです。
さらに、仕上がりを長く維持するために専用のコーティングを追加する場合もあり、出費はさらにかさみます。
そもそも車の塗装には多くの工程が必要であり、一般的な塗装でも20万円以上かかることは珍しくありません。
費用を抑えようと格安の業者に依頼すると、工程が省略されるなどして仕上がりが悪くなったり、後々トラブルにつながる可能性もあります。
そのため、単に「安さ」だけで選ぶのではなく、同じ費用でも仕上がりや満足度が高い“コストパフォーマンス重視”で業者を選ぶことが大切です。
チッピング塗装に限らず、信頼できる技術力を持った店舗に依頼することで、長期的に満足できる結果が得られるでしょう。
車のチッピング塗装は慎重に検討しよう
車にチッピング塗装を施すと、その独特な風合いで車全体をスタイリッシュに演出することができます。
しかしチッピング塗装は汚れに弱く、定期的なお手入れも必要になるため「後悔した」と語る方もいます。
今回解説したチッピング塗装のメリット・デメリット・お手入れ方法などを参考に、施工後の影響を理解したうえで検討することが大切です。
特に、車内保管が難しい方や細やかなメンテナンスを継続できる自信がない方は検討に慎重を期した方が良いでしょう。
車のチッピング塗装に関してよくある質問
車のチッピング塗装に関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
Q1.チッピング塗装を艶ありにすることはできますか?
チッピング塗装を施した車も、研磨と再塗装を行えば艶あり塗装にできる場合があります。
自分で行うと非常に手間がかかるうえに難易度の高い作業なので、業者へ相談のうえ依頼することをおすすめします。
Q2.チッピング塗装をした車にコーティングは施工できますか?
チッピング塗装を施工した車にも、コーティングを施すことができます。
コーティングを施せば汚れの付着や紫外線によるダメージが起こりにくいため、お手入れを簡単にしたい方は特におすすめです。
ただしチッピング塗装専用のコーティング剤を使う必要があり、艶あり塗装のコーティング施工時とは工程が異なるため、失敗を防ぐためにも業者に依頼した方が安心です。
Q3.チッピング塗装とラプターライナー塗装の違いは何ですか?
ラプターライナーは、ざらつきのあるマット塗装が可能な高耐久ウレタン素材の塗料です。
通常のチッピング塗装よりも比較的手触りが柔らかく、耐久性・防錆性能が高いという特徴があります。
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