関西国際空港から車で約15分。大阪府の南部に泉佐野市はあります。岸和田市の隣町に当たるため、泉佐野市でもだんじり祭が盛ん。泉佐野市のだんじり祭に、地域を挙げて取り組んでいます。
「だんじり祭がありますから、地域のつながりはとても強いのです。祭に参加している若い子を見ると、○○さんの所の次男坊だという会話が成立するほど、人間関係が濃いエリアと言えるでしょう」と答えてくれるのは、クリエーションの代表者である古谷裕則氏。
ディーラーで接客スキルを学び、好きなキャンピングカーの仕事にもっと携わりたいとディーラーをスピンアウトしてクリエーション社を設立したそうです。「輸入車のカルマンギアやb2200をレストアしたりして、粋な店」として泉佐野市での存在感を高めました。
2001年にカーコンビニ倶楽部に加盟し、家族とビジネスパートナーである大倉氏の5名で店を切り盛りしています。現在、現場責任者の大倉氏とはディーラー時代からのおつきあい。「カーコンに加盟して、すべての車の面倒を見よう」というのが両氏の合い言葉になりました。
姉妹のように明るいお母様と娘さん
大倉氏を除く、4名はすべて家族。古谷代表を中心に、奥様、長男、次女がビジネスに参画しています。
「カーコンに加盟するに当たって、問題に直面しました。実は私は色弱の気があったのです。それならばと未経験であった鈑金・塗装の講習に参加したのが家内でした」(古谷代表)。
加えて、次女が千葉県の整備専門学校で勉強し、戦力に加わってくれたとうれしそうに古谷代表が笑います。たたき出しの技術に長け、パテの量を少なくしながら、なめらかな面を紡ぎ出す、その技術は周囲からも高く評価されているそうです。
また、大学で理科系に進んだ長男は、「自分ははっきりと答えが出る数字の世界が好きだから」と受付、経理担当としてカーコンビジネスを支えています。長男のアドバイスで「蛍光灯をすべてLEDに置き換え、毎月2万円程度の固定費の削減に結びつきました」と教えてくれました。
かくいう古谷代表はディーラーで11年間販売の仕事をしてきたとのことで「お客様を見る目はあると自負しています」とのこと。
フロント、経理業務を男性陣が、メカニックを女性陣が担当し、独自の体制でカーコンビジネスを推進しています。
「客観的に見ると、女性のメカニックは塗装の美しさや、小さな埃を残さないなど、きめ細かな対応に優れていると思います」と古谷代表は答えてくれました。
現在同店への入庫台数は月平均15~20台。ライフワークともなっているキャンピングカーのレストアは月1台程度で、残りはカーコンの鈑金・塗装が中心ですが、共に重要なビジネスとして、車の両輪のような存在となっています。
キャンピングカーのレストアが同店のセールスポイント
同店の顧客比率は、お客様の7割がリピーター。地縁の強さを浮き彫りにするかたちとなっています。地元の“足”としての車があることを考えると、代車は必需品だと言います。
「代車は、現在、常時6~7台を代車として用意しています。大都市とは違って、この辺りではスーパーなどへの買い物にも車は必需品ですから。本当に困っている人のお役に立ちたいと考えますので、常に1台はいざという時用にキープしています」。(古谷代表)
困っている人だけではなく、接客するお客様にも何かメリットを提供したいと考える古谷代表。リピーターのお客様も多いからこそ、期待以上のメリットをどうしたら提供できるかを考えているそう。納期なのか、クオリティなのか、それともコストなのか。お客様のタイプに合わせて、期待以上の成果をだそうと一生懸命です。営業経験をフルに生かし、会話を通してお客様のニーズを探ること。同店の顧客満足はこれからも高まっていくことでしょう。
取材:2012年03月23日