東京都江戸川区の柴又街道添いに所在する小川オートサービス江戸川東店。街道を走ると、黄色と赤のカーコンCIカラーが目に飛び込んできます。
地価の高い都内にありながら300坪(店舗・修理ピット200坪、駐車場100坪)の敷地面積を持った店舗です。店舗周辺の鹿骨地区は、若いファミリーも多く、イメージターゲットはミニバンユーザーのファミリー層です。
「私たちがカーコンビニ倶楽部に加盟したのは、2002年。1966年以来、42年間にわたって車体整備業を続けてきましたが、職人気質だけでは伸び悩む時期を迎えていました。加盟のきっかけは、ずばり待ちの姿勢からの脱却です」と語るのは店長の小川健太郎氏。若いスタッフをとりまとめています。
江戸川区にはライバル企業の出店も多く、SS(サービスステーション)各社もしのぎを削っています。そうした環境の中、同店のリピーター率はおよそ7割。多くのお得意様に支えられる人気店です。その秘密はどこにあるのでしょう。
「12年ほど前に認証工場として認可されていますので、板金・塗装の修理をしている際にランプの球切れに気がつけばアドバイスしますし、依頼された部分以外でもお客様の安全・安心に結びつくことであればお話させていただいています」(健太郎店長)
お客様の身になって、車全体に目を配ってくれる安心感がお客様を引きつけているようです。
超強力ボデー修正機は英二代表取締役の自信作
同店のピットを拝見するとすぐに目に付くのが天井の高さ。10mを超えるであろうピット上部のガラスルーフは代表取締役である小川英二氏の手作りなのだとか。バスでも、トラックでも楽に入庫できそうなピットには、3tトラックが修理のために入庫していました。実際に大手運送会社はお得意様。長きにわたり良い関係を築いているそうです。
英二代表取締役が話します。
「もともと私は自分で作ることが好きでした。自信作が、このフレーム修正機。これならトラックのフレームでも修正することができます」。ピットの奥で一際存在感を放つ自作のフレーム修正機、『HIGH TOWER 25』。大型車両はもとより、中破、大破の修理の際にもフル稼働しています。重厚な作りと利便性を考えて作り出されたフレーム修正機は、技術にこだわる同店を象徴する存在です。
これ以外にも、ピット天井部のガラスサンルーフや街道を通る両面からドライバーが見えやすいようにサインポールを自作し、サイン看板としての視認性を高めています。
また、難易度の高い修理や輸入車に対応すべく、ヨーロッパの最高級塗料を使用。ハイグレードな車両への対応を強化しています。
同店ではお客様からのご相談を「断るな!」、お客様を「呼び込め!」が合い言葉。とにかくお客様の話を伺う姿勢を大切にしています。聞き役に徹して、作業に対する的確なメニューを提示できること。技術力をベースにした、お客様対応の根本がここにあります。
車のお渡し前に入念な洗車が行われる
同店は地域との共存のために掲げる目標があります。それは、「地域にかわいがられる店舗」であるべく、努力し続けることです。
社員全員で店舗前の通りを清掃することもその1つ。地域の構成員として当たり前のことをしっかりとやりたいという思いがそこにはあります。
年末にはお客様に出向いていってカレンダーを配布し、車検が近いお客様に対しては季節のDMを送付して早期にお客様の予約をいただくなど、頼れる地域の構成メンバーとして信頼関係を着実に積み上げています。
また、従業員のモチベーションを高めるために健太郎店長が一工夫。お客様からの感謝の声がスタッフに聞こえるように、車をお客様に渡す場所は、ピットから見通せて、声が聞こえるポイントに決めています。
「お客様の感謝の声が聞こえる。それがスタッフのやる気につながるのです」と健太郎店長。
地域と溶け込み、住民に愛される店舗として、今後もさらなる発展が期待できそうです。
取材:2012年02月17日