「地域密着でお客様を大切にしながら、その時代、その時代のニーズに合わせたサービスをしていきたいと思います」と語る齋藤忠嗣新社長。
神戸市の北部、六甲山のある北区を南北に走る県道15号線に面して店舗を構えるカーコンビニ倶楽部「ロイヤルモータース」。
ディーラー勤務を経験した齋藤忠昭代表取締役会長が、中古車販売店を立ち上げたのは1978年のこと。「あの頃、このあたりでクルマ屋はうちだけでした」齋藤会長は当時を振り返ります。
自動車関連ビジネスの店舗として、地域での創業がいちばん早かった同店。カーコンビニ倶楽部への加盟も他店に先駆け、2000年にカーコンの看板を設置し、鈑金塗装にも力を入れはじめました。現在では鈑金塗装、新車・中古車販売をはじめ、整備、レンタカーなど幅広い業務を行っています。
メカニックになってわずか1年でカーコングランプリ優秀賞に輝いた山本桜司さん。
齋藤会長にお客様についてお聞きすると、「創業以来のお客様も多く、2代はもちろん、3代にわたって当店をご利用いただいているお客様もいます」とのこと。キズへこみの修理はもちろん、整備や買い換えなど、トータルに引き受けられる体制づくりを整えているため、気軽にクルマのことを相談されるお客様も多いようです。「今では近隣に競合店もありますが、どんなことでもきっちり対応してご満足いただいています。また、そのためか、多くのお客様が長くお付き合いくださっています」と齋藤会長。
もちろん、お客様が長くお付き合いされる理由は、総合的なサービスを行っているからだけではありません。メカニックの山本桜司さんがカーコングランプリで優秀賞を受賞されるなど、技術も確か。すべてにおいてクオリティの高いサービスを提供することで、リピーターのお客様が増えています。
「このあたりは神戸市といっても郊外ですから、自動車はほぼ必需品です。しかし、一家に3台だったところが2台になるというように、自動車の台数は少しずつ減っています。神戸電鉄の駅が近いこともあって、若い方のクルマ離れも気になります」と語る齋藤会長。その現状に対し、同店が行っている対策のひとつが、レンタカー事業です。
「ご自宅にマイカーがあっても、グループでお出かけの場合、ワンボックスカーを利用したいという方はけっこういます。そういったクルマは山へ、海へ、キャンプへと活躍の場は少なくありません。また、キャンプ用品の無料レンタルも好評をいただいています。キャンプ用品は、私の個人所有のものですが、自分で使う機会が減ってきたのでお客様にお貸出ししたところ、とてもお喜びいただけたのでそれ以来続けています」
キャンプ、釣り、ラジコンカーなど、同店にはさまざまな趣味を持ったスタッフがいて、それらがお客様との話題づくりや交流を深めるのに結びついています。カウンターの後ろに置かれたラジコンカーに興味を示し、「見せてもらっていいですか」や「僕もやってるんですよ」と話しかけてくださるお客様もいます。
会報誌、チラシ、交換券・プレゼント券、新たに生まれたメンバーズカードなど、多彩なツール。
同店は独自のアピールにも力を入れています。それが自社の会報誌「ロイヤルモータースニュース」の発行と、ブログ「ロイヤルモータースとその仲間たち」の更新です。
B5サイズ8ページの「ロイヤルモータースニュース」は、宣伝以外の内容がメイン。お客様のことを取り上げたり、ハイキングの情報、地元の人気スポットなどを紹介。スタッフからのメッセージも掲載されています。年4回発行し、毎回3,000名のお客様に発送。この会報誌をご持参いただいたお客様には、無料オイル交換など特典を用意しています。特典も人気で、お送りした3,000名のうち200名ほどが来店されたこともあります。また、頻繁に更新しているブログも多くのお客様がご覧くださっています。
http://blog.goo.ne.jp/goo2665/
以前は、齋藤会長がほとんど書いていたブログ。最近は、各スタッフが月に1回は書き込んでいます。
取材:2011年05月25日