SSと隣接した滋賀石油株式会社の本社。石油製品との距離の近さが感じられる
滋賀県の県土の1/6に匹敵する面積を持つ琵琶湖。そこから流れ出す瀬田川は、宇治川(京都)、淀川(大阪)の源となり、地域産業の発展を支えてきました。今回ご紹介する大津逢坂山店の運営会社、滋賀石油株式会社の本社は、琵琶湖に隣接する大津市にあります。代表取締役社長である芝野 哲郎氏に企業の成り立ちを伺いました。
「当社の創業は大正中期。日本石油の特約店となり石油販売を中心に拡大してきました。現在は、滋賀・京都を中心に20カ所のSSを運営するに至っています」
カーコン店である「大津逢坂山店」は、本社からクルマで約5分。大津駅を最寄り駅とし、国道1号線に面するフルサービス業態の店舗です。
スタッフ数4名で運営する同店は、給油以外にも鈑金、車検、車販、レンタカー事業など、お客様の様々なニーズにお応えできる店舗です。
「スタッフ全員が業務に関する知識を持っていますので、お客様からのお問い合わせにスムーズに対応できます。2017年1月からはカーコンカーリース『もろコミ』の扱いも始め、サービスメニューを拡大しています」(芝野代表取締役)
商談テーブルに置かれた「もろコミ」等のセールスツール。既存のお客様への乗り換え需要を喚起する
大津逢坂山店がカーコン店として稼働したのは2015年9月。加盟の理由を芝野代表取締役がこう話します。
「私どもは歴史を持ち、地域との共生を目指してきました。そして、さらに利便性を良く、より多くのお客様に当店を知っていただきたい。そういった意味で、ネットでの発信力、全国レベルでの知名度を考えた時、カーコンへ加盟し、可能性を高めることが重要と考えました」
中でも注目しているのが「もろコミ」です。お客様の選択肢を広げるために1月から導入しました。
「効率だけを求めるのならば、大型セルフSSという選択肢は当然ある。しかし、それだけではフルサービスSSが生き残る術を狭めてしまいます。フルサービス業態を活かしつつ、お客様のあらゆるニーズに応え、地域に貢献し共生できる方法を大津逢坂山店では探し求めているのです」(芝野代表取締役)
同社は日報による報告と、それに対する社長の返信コメントを全社員が閲覧できるようにしています。
「社員からは『うれしかったこと』や『感謝』などが日報として上げられます。それに対して私がコメントを返す内容を他の社員にオープンにすることにより、情報共有を進めています。社員全員の意識を同じくしていくためにも、私は“業務日報と返信コメント”を積極的に活用しています」(芝野代表取締役)
日々の社員の言葉や考えに共感し、ある時は戒めてきた芝野代表取締役。そこには、長年お世話になってきたお客様、あるいは地域に共に暮らすお客様に愛される店舗であるために、何をすべきかの哲学があります。
古くから京の都に近かった大津は、歴史とともに成長してきました。百人一首でも知られる、盲目の琵琶の名手・蝉丸が詠んだ「これやこの行くも帰るも分かれつつ 知るも知らぬも逢坂の関」という歌も、さまざまな人が出会いを繰り返す『逢坂の関』への感動を記したものと言われています。同様に、大津逢坂山店は、お客様との接点として、新たな人間ドラマを生み出そうと今日も奮闘しています。
取材:2017年1月27日