お客様が気楽に立ち寄れるカワサキ。クルマに関することなら何でも相談できる安心感がある
世界遺産富士山を間近に頂き、その構成資産である『富士山本宮浅間大社』、『白糸ノ滝』等を同市内に擁する富士宮市。今回ご紹介するカワサキにも、ゆったりとした時間が流れます。
同店は整備業を古くからこの場所で営んでおり、愛車のお困りごとに対応してきた歴史があります。
カーコンへの加盟を決めたのも、お客様との会話中に相談されたキズがきっかけだったそうです。
「当時の鈑金業界ではドア1枚10万円が当たり前でした。そのお客様のドアにも確かに小さなキズがありました。聞けば、おじいさんが杖でうっかり作ってしまったキズだそうです。おじいさんは申し訳なさそうに『お金は自分が出すから早く直してくれ』とおっしゃいました」(始子フロント)
先代社長から店を引き継いだばかりで、右も左もわからない始子フロントにとっては「こんな小さなキズに10万円?」という主婦感覚が消えることはなかったそうです。そんな時、目に入ってきたのがカーコンからのDMでした。早速、現社長とともに見学に出かけ、すぐさまカーコンへの加盟を決めました。
「素晴らしいと思いました。そして、これを自社でできたら、お客さんに喜んでもらえるとワクワクしました」(始子フロント)
その後のフロント研修、保険資格の取得など主婦であった始子フロントにとっては全く知らない世界の連続。しかし、多くのファンが集まりました。
「素人だった私をここまで連れてきてくれた。カーコンでよかったと思っています」
この素直な気持ちがお客様からの信頼感につながる一因となっていることは間違いがないと感じる言葉でした。
始子フロントがお客様との大切な時間をイメージして作った店内。時間を経てなおぬくもりが感じられる
店づくりにあたって、始子フロントがこだわったのは「居心地の良い空間」をつくること。商談スペースをつくり、床もフローリングにして、当時地域では有名だった『TOMIYAコーヒー』のコーヒーサーバーやキャンディを置きました。
「私にできるのは世間話とざっくばらんにお客様の困りごとを聞くことだけでした。でも、そうした時間を大切に思ってくれたお客様は今も顧客でいてくれています」(始子フロント)
こうした姿勢は業務にも表れており、同店のスローガンは「いいものをいち早く、お客様に安価で提供する」というもの。カーコンが供給するタイヤの販売本数も全国指折りの実績を残しています。また、スピーディーに施工し、修理品質を高めていくカーコン新工法も積極的に採用しています。鈑金担当のメカニック 久保田 英樹氏がその実情を教えてくれました。
「カーコン新工法は短時間に、修理品質を高めてくれると思います。私たちが習った頃と違い、最近のクルマは素材が変わってきているので、旧来型の修理では対応できないクルマが増えてきています。私は時代の変化を受け止め、丁寧な修理を心掛けています」
お客様のことを常に一番に考える同店。来店の敷居が低い、和気あいあいとした雰囲気づくりは始子フロントが追い求めてきた姿なのかもしれません。
エントランスから事務スペースを臨む。地元の人にはなじみの風景
店舗は大規模だから良いのではありません。うやうやしい敬語を使えることだけが大切なのではありません。お客様がお困りごとがあった時に、まず相談したくなる店でありたいものです。
「私はいつの時代も地域一番店を目指してきました。この店舗は決して利便性の良い場所ではないかもしれませんが、地域のお客様が“あそこに行けば助かる”と思っていただける存在感はあると思います。これを続けていきたい」(始子フロント)
専業主婦であった始子フロント。飛び交う業界用語は全くわからず、外国にいつもいるような感じだったと振り返ります。
「カーコンはそんな私を一から指導してくれた。本当に感謝しています」と話す始子フロントは地域一番店であり続けるために今日も“居心地の良いフロント”に座り続けます。
取材:2017年1月26日