出来上がったばかりのオフィススペース。統一感ある色彩が清潔感を感じさせる
法人営業を中心に創業70周年を迎える中央区東日本橋に本社を置く協和自動車株式会社。元々は墨田区のスカイツリー周辺にあった工場がスカイツリー建設のため、葛飾区の亀有に移転してきて4年。2016年にカーコンに加盟して、一般ユーザーの対応にシフトしています。店長の郡上 稔行氏がカーコン加盟の経緯を話します。
「当社は企業の法人顧客を中心に整備、車検を受注してきましたが、地域性を考慮し法人から一般のお客様にシフトチェンジする必要がありました。それがカーコンに加盟した理由です」
カーコンのビジネスは突発的な入庫も多く、これまでにはない対応力が求められます。
「現在、当社では一般ユーザーへの対応と事業基盤づくりに力を入れています。これまでのビジネス基盤である整備・車検の入り口として軽鈑金があり、カーコンは魅力的でした」(郡上店長)
それと同時に大切にしているのが既存のお客様。数多くのお客様に長年にわたって助けていただいた感謝を郡上店長は忘れていません。
「社長にも口酸っぱく言われています。我々の先輩方もそうであったように、掴んだお客様を失うな、と。先輩方がやってきたことを自分たちができないことはないと信じて精進しています」
新しいビジネス基盤づくりのキーワードは、地域貢献。葛飾区に根ざした新たなブランディングの推進です。
道を挟んだ正面は大規模ショッピングセンター『Ario亀有』。今後の集客に期待が持たれる
同店から通りを隔てた向かい正面にはイトーヨーカドーが運営する巨大ショッピングセンター『Ario(アリオ)亀有』があります。同店はその駐車場正面に位置しているため店舗の認知度を高めていけば動員の可能性を多分に秘めています。
保険を使う際、ディーラーは保険でまかなうクルマの修理箇所しか見ていないケースが多いのです。
それと同様に重視しているのが地域密着の取り組みです。4年前の移転以来、葛飾区に溶け込むために店舗があるブロックの清掃活動を続けてきました。また、下町ならではのコミュニティ参加のために御神輿の担ぎ手を供給したり、店舗前に「神酒所」を設営するのを手伝ったり地域のメンバーになる努力を重ねてきました。さらに敷地内にある一坪菜園を顔見知りに貸し出すなど、地域内交流を進めてきました。その結果、店舗には顔なじみのお客様が頻繁に顔を出してくれるようになっています。
会社が70年にわたってお客様に支えられてきた事実を入社28年目の郡上店長はよく知っています。そして、こうした小さなコミュニケーションが積み重なって大輪の花を咲かせることも知っているように感じられました。
近くを通る国道6号線(通称:水戸街道)は多くの自動車ディーラーが軒を連ねています。「だからこそ、カーコンのニーズがあると感じています」と郡上店長は前向きに考えています。
郡上店長は同店に来るまでは工場長を務め、「フロント兼メカニック」としてお客様対応を重ねてきました。
「当時のフロントは整備の説明が難しいとのことでしたので、私がそのサポートをしていました。メカニック兼任ですからつなぎを着たまま接客しましたが、かえって、お客様からは説明に納得できたと評価してくださる方も大勢いらっしゃいました」(郡上店長)
この経験からかフロントにはメカニックの知識が必要と考え、実績を重ねてきました。今回のカーコン加盟に際しても、その意欲はとどまることを知りません。
私は今、鈑金塗装の集中工場の責任者から軽鈑金をマンツーマンで学んでいます。現場の問題、解決法、その手間等の知識・技術を良く知ることがフロントマンとして当然の姿勢だと考えているからです」(郡上店長)
近いうちに現在の集中工場より近いところに鈑金塗装の工場を整備したいと考えている郡上店長。店長の夢は下町でまた大きく広がっています。
取材:2016年7月8日