店舗リポート

見えない部分にまで気を配る。オートルック流接客術。

(有)オートルック
所在地 埼玉県所沢市城468-1
オープン 2001年
スタッフ 15名

代表取締役 長谷部 芳行 氏

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女性のお客様がメインターゲット


プロ野球埼玉西武ライオンズが本拠地とする埼玉県所沢市。自然豊かな新興住宅地としてすっかり定着しています。

「かつては男性客を意識していましたが、今のメインターゲットは女性。特に主婦層が中心です」と話すのは代表取締役の長谷部芳行氏です。鈑金の現場でたたき上げ、現在は24時間365日のロードサービスにも対応。総スタッフ数は15名を数えます。

(有)オートルックのカーコン加盟は2001年。それまではディーラーの下請けを中心に鈑金業を営んできました。

「古くからのお客様に支えられて今日があると深く感謝しています。しかし、時代とともにお客様も変わります。特にこの辺は新興住宅地ですから新しい住民がどんどん増えています」(長谷部代表)

ディーラーの下請け仕事だけであれば「求められる品質」に応え続ければ良い。お客様のことは意識する必要はありませんでした。しかし2013年、同店は敷地内に新店舗を新築しました。

「それまでは同敷地内にプレハブを建てて営業していましたが、お客様を意識した店舗としてリニューアルしました」(長谷部代表)

女性客を意識した新店舗は、高い天井に、白と赤、ウッド素材で統一されたインテリアが特長。トイレも車椅子が出入りできるスペースを確保しています。お客様に快適に過ごしていただくためにはどうすべきか、お客様との接点のあり方をよく考えた店舗構成になっています。

オートルック流接客マナー


シャワースペースで清潔感を維持するのが同店のルール。

新店舗を構想するうえで、女性のお客様のことを考えると様々な課題が見えてきました。体臭などの“臭い”もその一つ。最近は「スメルハラスメント(スメハラ)」とも言われ、周囲からのチェックも厳しくなっています。

「スタッフが使うシャワールームを設置しました。お客様に不快感を与えないように、汗をかいたらシャワーを浴びるよう指導しています」(長谷部代表)

このシャワールームは365日活躍するロードサービスに携わるスタッフも積極的に活用しています。また、作業服は1日ごとに着替えるようにとの指示も徹底されています。

「私は現場が長かったので、作業をすれば作業着が汚れることは知っています。しかし、その汚れがいつ頃付着したものか、どれだけ洗濯していないかもわかるのです。女性であればより敏感でしょう」(長谷部代表)

とにかくお客様に笑顔でごあいさつすることは当然のこととして、自分では気がつきにくい体臭、清潔感のある服装に配慮することをスタッフに求めています。

目には見えない部分にまで接客のエチケットとして配慮するのがオートルック流なのです。

新店舗で新たな取り組みを


EV車専用急速充電器を店舗脇に設置。

新店舗に変えて気がついたことがあるという長谷部代表。

「店舗の環境が変わるとお客様の反応も変わるのですね。店舗にしてから、成約率は5割前後から8割前後へと大幅にアップ。これもターゲットを明確にして店舗イメージや従業員のエチケットを向上させたことがお客様に伝わったのではと自負しています。」

取り組みが効果に結びつくことを実感した長谷部代表は店舗の改革を進めます。店舗脇に「EV車用充電器」を設置し、電気自動車のユーザーが利用できるようにしたのもその一つ。自らも自家用車は電気自動車にするなど次の時代を見越して実体験を積み上げています。同時に店舗に太陽光パネルを設置するなど環境にやさしいカーコン店づくりに邁進しています。

お客様にご満足していただくためには事前・事後の詳細な説明が欠かせないと考える長谷部代表。説明をわかりやすくするためにフォトフレームを使ったプレゼンテーションをしたり、修理箇所は撮影しておき事後の修理報告に役立てるなど、さまざまな工夫をしています。

「わたしは口ベタですが、このようなツールを活用すればお客様にわかりやすく説明することができますし、ご納得いただけます」(長谷部社長)

お客様は値段に値する説明があれば納得していただけると考えている長谷部代表。「この次はお客様の視認性が高い看板を整備したい」と新たな目標を設定し、新店舗完成を機にやる気に拍車がかかっているようです。



「電気の要らない自動ドア」がお客様を出迎える。
エコ意識が高い店舗イメージを演出。

統一感があり洗練された店内。

車椅子のお客様にも配慮したトイレスペース。





取材:2014年05月30日