店舗リポート

Choku!への全面的シフトで
非来店ユーザーにアプローチ

カーコンビニ倶楽部 ENEOSウイングセルフ天竜川SS
所在地 静岡県浜松市中央区薬師町59
オープン 2018年
スタッフ 12名

ENEOSウイングセルフ天竜川SSの詳細はこちら

マネージャー 木俣大輔氏

Choku!は今や絶対に外せないツール

 

浜松市内から天竜川に向かう国道152号、通称「自動車街通り」には、文字通り自動車メーカーのディーラーがひしめき合っています。その「自動車街通り」沿いに株式会社ENEOSウイングが運営するカーコンビニ倶楽部「ENEOSウイング セルフ天竜川SS」は店舗を構えています。同店がカーコンに加盟したのは6年前の2018年。昨年10月のリニューアルオープンとともにLINEを活用したカーコン独自の自動・個別配信ツールの「Choku!」に全面的にシフトし、集客アップとリピーター囲い込みの戦略を展開しています。その狙いの先にあるものとは。ENEOSウイング セルフ天竜川SSの木俣大輔マネージャーと、松井沙夕梨マネージャー補佐にお話を伺いました。

「率直に言って、Choku!は最重要ツールとして捉えています。非来店ユーザーにアプローチできるという点で、今や絶対に外せないツールになっているのです」と、木俣マネージャー。
「Choku!のメリットは、配信しても反応のないお客様にだけ再配信できることや、個別のお客様に定期的に配信する内容を事前に組んでおけるシナリオ配信ができることです。これまでは店頭で一生懸命チラシを渡したり、実際にお客様に声をかけるところからの商品販売という動線だったわけですが、人員的な要因でなかなか上手く行かなかったり、渡し方ひとつで伝わるものも伝わらなかったりする難しさがありました。Choku!なら、ボタン一つで数千人に同等レベルの告知が一瞬に、しかも同時にできますからね。今の時代に欠かせない配信ツールになっているのです」
 松井マネージャー補佐もこう続けます。
「チラシなどの紙ベースで伝えた方が馴染みのあるお客様もいますが、実際にカーメンテナンスを販売できる層を考えれば、今やスマホが当たり前のデジタル世代がメインターゲットになっています。SSに来るたびにチラシを渡されて、辟易しているお客様もいらっしゃいますしね。その点でもChoku!に完全シフトした方が良い選択肢だと思います」
Choku!は、各種カーメンテナンスなどの定期的な個別配信が可能なので、それぞれのお客様に必要のない情報を送らずに済むこともメリットだと木俣マネージャーは話します。 「シナリオ配信では、例えば、カーコーティングを利用していただいたお客様には、1週間後にお礼のLINEが届くように組み込んでおいたり、毎月カーコーティングを利用していただいているので、ガソリンをこれだけ値引きできますよというノベルティーのようなものを配信しています。すでに1年間の配信のシナリオが組まれている状況です。カーコンの担当アドバイザーの方に打ち合わせの段階から手伝っていただけるので、手もそれほどかからず、とても助かっています」

「鈑金といえばカーコン」のイメージを活かすために大きな看板を設置してカーコン店であることをアピールしています。
店舗にはカーコンビニ倶楽部の大きな看板が掲げられ、カーコンショップであることをアピール。カーコン店であるかどうかで、鈑金の売り上げが倍以上違ってくるそうです。

理事例紹介に本格的に取り組み始めたら閲覧数が4倍に

カーコンのもう一つの重要戦略である「修理事例紹介」にも1年ほど前から本格的に取り組み始め、手応えを感じているそうです。
「修理事例紹介は、受注した車の事例をカーコンのホームページに掲載している形です。力を入れ始めたのは1年ほど前からですね。それまではボチボチという感じで掲載していましたが、力を入れ始めると見る見る閲覧数が増えてきました」(木俣マネージャー)
本格的に取り組む以前の修理事例紹介の閲覧数は、月に100〜150程度だったそう。それが、昨年の春頃から力を注ぎ始めたら、月間閲覧数が400を超えることも珍しくなくなりました。
「鈑金のお客様は、燃料の商圏とはまったく違うところから来ていただくことも多く、驚いています。燃料の商圏は、お客様の生活圏内にほぼ留まりますが、鈑金のお客様は、天竜川の橋を渡った磐田市や、かなり距離の離れた浜松市の北の方の地域からわざわざお越しいただくことも少なくありません。カーコンのWebサイトで検索した時に、最寄りのカーコン店としてヒットし、さらに修理事例紹介のコーナーで鈑金のビフォー・アフターの画像やコメントを見て、判断材料にしているのだと思います。事例とは言え、実際にキレイに直っているのを自分の目で見て確かめるのは、口で説明するよりはるかに説得力がありますからね。それがマーケットの広がっている要因の一つだと考えています」

初見のお客様が入りにくい「ごちゃついた店内」ではなく、誰でも入りやすい「シンプルな店舗」を意識した内装にしています。
女性が訪ねやすいお店にしたいと考え、できるだけシンプルな空間を目指したそうです。

ーコンの看板があるかないかでは集客力に倍以上の差がある

そもそも、「ENEOSウイング セルフ天竜川SS」がカーコンに加盟したのは、トータルカーケアステーションの構築を目指すためだったと言います。
「トータルカーケアステーションとしてカーメンテナンスを進めていくには、鈑金や車検、コーティングの分野は切っても切れないものです。だから、カーコンのネームバリューを活かして集客しようというのが狙いでした。車関係のことであれば何でも気軽にご相談ください、というところを目指しているのです」(松井マネージャー補佐)
特に鈑金に関しては、カーコンの看板があるかないかでは、集客力がまったく違うと木俣マネージャーも言います。
「具体的に言えば、倍以上の違いがあります。系列の店舗は全国に300以上あり、そのうちカーコンに加盟しているのは107店舗ですが、カーコン加盟店と非加盟店を比べると、鈑金の売上ベースで見ても、その差は倍どころではないのです。それだけ集客に違いがあるということです。私はこの業界で長く仕事をしていますが、カーコンに加盟していない当時は、お馴染みのお客様から頼まれてという程度でしたが、カーコン店として展開するようになって新規のお客様の集客が圧倒的に増えました。電話などの問い合わせでも、『カーコンさんですよね』という感じで電話がかかってくるケースが多いのです」

松井沙夕梨 マネージャー補佐

指すは、車のことなら何でも気軽に相談できるトータルカーケアステーション

松井マネージャー補佐は、鈑金塗装とカーコーティングの相乗効果にも驚いているそうです。
「当店はカーコーティングにも力を入れているのですが、コーティングのお話をお客様にすると、『あそこのキズが気になっているので、それを直してからにしたいんだよ』という答えが返ってくることが少なくありません。その際に、『当店でも鈑金修理ができるので、お預かりしてコーティングもしちゃいますか?』という流れになることが多々あります。鈑金とコーティングはセット商品と言っても過言ではないのです」
将来の展望を木俣マネージャーに質問すると、「売り手目線で商品販売をしていくスタイルを脱却して、お客様が必要なものを必要な時に購入していただけるスタンスの店づくりに完全にシフトさせて行きたい」という答えが返ってきました。目指しているトータルカーケアステーションが、カーコンとの二人三脚でしっかりとした形になりつつあるようです。

お客様の目に留まりやすい箇所にChoku!クーポンのポスターを設置することで、Choku!の会員数増加を狙っています。
店舗の中には、Choku!で配信中の特別クーポンのポスターが、お客様の目につきやすいところに貼られていました。

取材:2024年1月12日