兵庫県内にENEOSのガソリンスタンドを13店舗展開している神戸スタンダード石油（株）が運営するカーコンビニ倶楽部「須磨ニュータウン店」は、多い日で800〜900人を集客するSSの強みを生かし、得意なコーティングと鈑金の相乗効果で工賃売り上げを伸ばしています。加えて、ホームページの「修理事例」にも今年の4月から積極的に取り組みはじめ、鈑金だけでなく様々なビフォー・アフター事例の投稿によって集客を倍増させています。「この店の売りはスタッフ全員です！」と笑顔で言い切る小橋雅之マネージャーに、店舗を好調に導くためのポイントと戦術についてお話を伺いました。

「コーティングと鈑金の相乗効果で、毎年1割程度売上がアップしています」と小橋マネージャー。
「コーティングをご希望の方は、当然ながら車をキレイにしたいと思っています。もし、キズがあったらそこもキレイにしたいと思われるはずです。逆に、コーティングをしている車をキズつけてしまい補修をするとコーティングが落ちてしまいます。そうすると、せっかく鈑金でキレイに直したのですから、もう一度施工しましょうかとなります。鈑金とコーティングがタッグを組むことで、相乗効果が生まれるわけです」
須磨ニュータウン店には、コーティングの技術認定者が4名いるのですが、そのうち2名はアルバイトスタッフ。しかも、アルバイトの1人は技術認定最上級の1級まで到達しているそうです。どうやって育てれば、これほど意識の高いアルバイトスタッフになるのでしょうか。

「実は、以前は私の方で勝手に社員とアルバイトを区別していました。でも、それではできる仕事はいつまでたっても限られてしまい、仕事のスキルや技術を伸ばしてあげることができない。そう気づいて区別するのをやめました。今は、社員もアルバイトも同等と考え、新しいことにどんどんチャレンジしてもらっています。例えば、アルバイトであってもキャンペーンの企画や準備を、責任を持ってやってもらっています。キャンペーンの企画は社員の仕事、店長の仕事だとしてしまうと、いつまでたってもアルバイトスタッフのスキルはアップしませんからね」
これを機に、アルバイトスタッフは見る見るうちに仕事を覚え、業務の幅が広がっているそうです。もちろん、それを実践するには周りのサポートが必要なことは言うまでもありません。その延長に、コーティングの技術認定1級の取得があったのです。

小橋マネージャーは、「新しいことに聞く耳を持って取り組むことが大切」だと話します。 「実際に、そうすることで集客が増えるのを実感していますからね。例えば、ホームページの修理事例のことも聞いてすぐに取り組むことにしました。鈑金、整備、そのほかの商材についても、まだまだ認知度が足りないと感じていましたからね。鈑金だけでなく車両故障修理やコーティングなどの事例も合わせて投稿しているのですが、積極的に取り組むかどうかで集客に大きな差が出ることを痛感しています」
今年の4月に5つの事例をアップしたのを皮切りに、半年後の9月には80の事例に拡大しています。すると、ページ閲覧数は545から1266に倍増。問い合わせ件数も4月は10件だったのが、9月は2倍の20件になったのです。
「合わせて、SSで多い日は800〜900人の来店者数があることのメリットを活かした作戦も展開しています。SSのリピートを目的に、BOXティッシュがもらえる特典がある『スタンプキャンペーンチラシ』を作成。その裏に、見積り無料・修理工賃最大20％OFF・代車無料のカーコンのチラシも印刷して配布するとともに、何気ない会話の中でお客様の悩みを聞き出すように努めることで、お客様が困ったときに少なくとも見積りだけは来てくれる、という状況を作ることに力を入れているのです」

小橋マネージャーは、多くのお客様の要望に応えるために、「正確かつスピーディー」を心がけていると話します。
「私がそれを心がけている理由は、スピーディーに仕事ができれば1日に携わる案件が多くなり、その分経験値が上がるからです。それを積み上げれば、大きな財産になり、武器になると確信しています。そんな人材を育てるために日々考え、様々な方法を試みていこうと思っています」
神戸スタンダード石油のSSは4店舗がカーコンに加盟していますが、その中で「須磨ニュータウン店」が先頭を走り、他の店舗のお手本になっている理由がわかった気がします。