広大な敷地に新築されたばかりの鈑金加工センター。ここは岐阜県加茂郡富加町にある(株)平手石油の鈑金集中工場です。岐阜県に5店舗、愛知県に3店舗のSSを展開する同社は「富加鈑金センター」として鈑金の新拠点を2014年1月にオープンしました。
店長である小飯塚弘典氏がその経緯を話します。
「カーライフ全体をサポートするために、社長が鈑金サービスの提供を考えていました。その中から選んだのがカーコンでした」
実はその1年ほど前に社長からは「鈑金事業をやるから、その時にはお前が行け」と言われていたという小飯塚店長。それまでカーコンとの接点はなかったのですが、カーコンへの加盟が決まると率先してスーパーショップ新山下店の研修に参加しました。
実際に研修に参加した小飯塚店長にその感想を聞くと
「研修で過ごした2ヶ月はすごく貴重な体験でした。今までの自分の知識や技術では全然足りないと痛感させられました」(小飯塚店長)
鈑金知識を基本から学び、鈑金研修が終わると今度は塗装を習得しました。
「基本からしっかりと学べて、業務のコツもつかめるようになりました」(小飯塚店長)
40歳の小飯塚店長の新たな挑戦はこの研修から始まったのです。
社長の言葉が書かれた手帳は手放せない宝物。
研修を終えた小野塚店長は、社長からも『しっかりやれよ』と叱咤激励されています」おもむろにポケットから「自己申告書」(学生の生徒手帳に似た形状のもの)を取り出すと、そこには社長のメッセージ「俺がやらなければ誰がやる」の文字が表紙に印刷されています。同社では自主的に、責任感を持って業務に取り組む姿勢が求められているのです。
もちろん不安もあったという小飯塚店長。しかしその際に頭に浮かんだのはお父様のことであったと言います。
「父はクルマメーカーの生産管理に関わっていました。塗装ラインのオートメーション化を推し進めていたと言います。父はいつか独立したいと思っていたようですがその夢は叶いませんでした」(小飯塚店長)
独立したかった自分の父親の境遇と今の自分の立場を考え合わせたときに、社長から鈑金事業への参画を聞き、それに関与するように言われたことは「率直にうれしかった」と小飯塚店長は話します。
お父さんが果たせなかったチャレンジに似た体験を、信頼する社長と一緒に進めることにワクワクしている様子です。
グループ8社の集中工場として広大な敷地を所有。
「今は鈑金に特化していますが、将来的にはサスペンション交換や中古部品の取り付けなどもやっていきたいと考えています。400m離れたところにはグループの指定工場もありますので車検等との連動も可能です」(小飯塚店長)
鈑金集中工場の機能が固まった暁には次なる展開も視野に入れています。
業務を拡大する際に重要なことはやはりお客様の接客。ここからすべてが広がります。
「挨拶、お客様の立場に合わせた会話、そして第一印象など、接客姿勢に磨きをかけたい」(小飯塚店長)
同時に「頑張っているだけではダメ。
結果を出さなければ意味がない」と結果にこだわる覚悟で臨みます。夢を夢で終わらせないためには、小さな積み重ねが大切であると兜の緒を締め直しているかの様でした。
取材:2014年07月16日