店舗リポート

カービジネスの知識はもちろん、人材育成や組織論など幅広い興味を持ち、カーコン車検に生かしていく柔軟発想

カーコングランプリ2009店舗運営部門最優秀賞

カーコン車検 トラスト
所在地 埼玉県狭山市水野442-8
オープン 2002年
スタッフ 4名(FS=2名、整備=2名)

小堀弘通 店長

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普通のことを普通にやる、そのことにこだわって。

埼玉県の南西部に位置し、16万人弱が暮らす狭山市。東京のベッドタウンとして栄え、今も都心へ通勤する人が少なくありません。大企業の工場がいくつもあると同時に、名高い狭山茶を産出する茶畑も並んでいます。そんなバランスのとれた街に店舗を構え、人々に親しまれているのが、カーコン車検トラスト。同店は敷地内にグループ会社の新車販売店、100m も離れていない場所にカーコンビニ倶楽部のお店を持ち、トータルなカーライフを提案しています。

同店は、カーコン車検の第1号加盟店。ですから、カーコン車検は同社とともに歩んできた、といっても過言ではありません。今回のカーコングランプリ2009店舗運営部門での最優秀賞受賞について、成功要因を小堀店長にお聞きすると「普通のことを、普通にやってきただけです」という謙虚なお返事。前年の優秀賞に続いて連続受賞されているため、受賞慣れされているのでしょうか。いえ、そうではありません。

では、普通のことを普通にやって最優秀賞を受賞するとは、どういうことか。それは、同社にとっての「普通」のレベルが、かなり高いレベルにあるということではないでしょうか。

毎月テーマを決めて、全社でクオリティを高めていく。

最優秀賞受賞後に取材させていただいた会議室で目にしたホワイトボード。そこでヒントに出会いました。ボードにはビジネスにおいて大切な事柄がいくつも書かれています。

「笑顔:やっていないのでなく、相手に届いていない。明るく、アイコンタクト」「人間がものを感じることの“80%”は視覚と聴覚」「3の法則:3秒・見た目のイメージ、30秒・話(声)を聞いて感じがいいかを判断、3分・全部のイメージが確定」「身だしなみ:他人、おしゃれ:自分」といった役立つアドバイスが目白押し。このときのテーマは「感じ良く」で、つまり、お客様と接するためのヒントが簡潔にまとめられています。テーマは毎月、全社で話し合われ、決まったことに社内全員で取り組んでいるそうです。

他にもお聞きしてみると、さらなるこだわりが見えてきました。たとえば、小堀さんの読書。最近読まれた本は『弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論』(野村克也さん著、アスペクト)と『野村克也「頭の使い方」一人を使い、育てる勝利の方程式』(永谷脩さん著、三笠書房)。どちらもプロ野球、楽天ゴールデンイーグルス野村監督の関連本。小堀さんは人材育成や組織論にも関心があり、最優秀店舗に選ばれても慢心せず、もっと勉強しようという熱意を感じました。

どん欲な姿勢と謙虚さ、コミュニケーション力が鍵。

小堀店長の研究意欲はそれだけにとどまりません。たとえば、ラーメン店で食事をすると「なぜ、ここの店員はこんなに元気なのだろう」、別の店で買い物をすると「なぜ、これがこの値段なのだろう」と考えたり、ガソリンスタンドでは「すごい営業力だな」と感心したり、あらゆることから学ぼう、何かをつかもうという気持ちで毎日を過ごされています。

また接客についてもお聞きしてみました。「当店ではフロントと整備、職種は分かれていますが、4名全員がお客様対応を行うようにしています。もう、整備士は整備だけをしていればいいという時代ではありません。実際、接客までできたほうが受注率も上がるし、常連客になっていただける可能性も広がるんです。また、接客や仕上げから信頼が生まれると、当社より車検料金の安い競合他店があったとしても、うちを選んでいただけるんです。大切な愛車や安全性・安心感のことを考えると、安さがすべてではありませんから」さらに、こう続けられました。「若いスタッフにはお客様とのコミュニケーションはまず横で見せて、その後やってもらって、気づいたことがあれば、こうしたほうがいいとすぐに伝えます。また、スタッフに対してなるべく怒らないよう心がけています。たとえばトイレ掃除にしても、やらせるのでなく自分もいっしょにやるという姿勢が大事ですね」

最優秀賞を受賞してから、カーコン車検のホームページを見て遠方から来られるお客様も増え、賞の効果を実感するともに、賞の名に恥じないよう、邁進することを誓ったそうです。

取材:2009年8月6日