店舗リポート

ご年配には日没前に納車。この小さな心配りが、多くのお客様を連れてきた。

美Make水城店
所在地 福岡県太宰府市水城1丁目4-3
オープン 2000年
スタッフ 7名

代表取締役 竹野 とみ江 氏

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鈑金のDNAを引き継ぐ


菅原道真公の飛梅伝説でも有名な太宰府天満宮。太宰府インターを下り、県道112号線沿いに見えてくるのが「美Make水城店」です。太宰府市を中心に、隣接する大野城市や筑紫野市など4市を合わせると、商圏には40万人の人口を抱えます。元々はディーラーの鈑金下請けをしていたんですが、亡くなった先代の社長(とみ江代表のご主人)は「5年後、10年後を考えた場合には、自分たちのお客様の開拓が必要」との意志を強く持ち、カーコンに加盟したのは2000年のことでした。

1975年に開業した同店は、鈑金業を中心に伸びてきました。先代社長が亡くなった後も、鈑金塗装業をビジネスの中軸に据え、揺るぎの無い経営を続けています。

「私たちのビジネスは軽鈑金が中心です。しかし、お客様からのご要望で車販もしていますので、それに付随する車検、保険などにも対応しています」(とみ江代表)

同店が所在する県道112号線は元々ディーラー通りとして栄えたところ。大野城市から移転してきた同店が入った物件も、福岡スバルの後継なのだそうです。クルマメーカーの拠点の統廃合により、現在はクルマ関連の店舗も少なくなってしまったので、なおさら同店の車販ニーズは高まっています。

お客様第一で考える接客


ロードサービスをやることで信頼度を向上

同店には多くのリピーターが訪れます。とみ江代表の明るい語り口はもちろんのこと、ビジネスよりもお客様の立場に立ったもの言いが受けているのかもしれません。

「10年前、60代で元気だったお客様も現在は70代になっています。クルマに乗るのが怖くなってきたお客様には『もうクルマ運転せん方がいいっちゃない?』と答えることもあります」

とみ江代表の心配りはこれだけではありません。冬場で日が短くなると、お年寄りは目が見えにくくなります。また、早くから晩酌を楽しむ人もいらっしゃいます。これを受けて「スタッフにはご年配の車両は、日が明るいうちに仕上げて」と号令をかけているとのこと。そうした気配りをお客様が気づかないわけがありません。自然と長くつきあう顧客へと変貌してゆくのです。

元々鈑金業として伸びてきた同店は、大破への対応もお手のもの。積載車を自前で揃え、ロードサービスを展開するなど、「困ったら美Makeさんね」という風潮が生まれているそうです。

また、心遣いは若い母親にも。
「私も2人の子どもを育てましたので、子育ての大変さは良くわかっているつもりです。小さなお子さまを抱えているお母さんが入庫される予定の際には『こちらから取りに伺います』と言ってしまいます」(とみ江代表)

とみ江代表の人柄が、お客様から信頼を勝ち得ている理由がわかります。

クルマが好き。だから、こだわる


ジャンケンでも真剣勝負!このチームワークが魅力

同店への来店者は女性客6割。気兼ね無しに相談できる雰囲気が同店の特長になっています。

また、同店のモットーは、「納期を必ず守ること」。そのためにはお客様になるべく早く愛車をお返ししたいが「1日のバッファ(余裕)」をとって置くそうです。

「塗装から上がってきたクルマは女性スタッフが洗車します。その際に私もチェックをして、塗装が汚ければやり直してとダメ出しします」(とみ江代表)

お客様に「+1日」のお時間をいただく。このバッファがあるから、安全&キレイな最終調整が可能になります。「カーコン=早い鈑金」というイメージが定着していますが、「早い・安い・汚い」では何にもなりません。スピードとクオリティを両立し、コストメリットを感じていただけるように留意して同店は取り組んでいます。「主人と会う前からクルマが好きだった」というとみ江社長。

自分が愛するクルマを、同じようにクルマを愛するお客様のお役に立ちたいと考える同店の発想は、多くのお客様から信頼され、愛され続ける店舗として、これからも太宰府で花開いてゆくことでしょう。



元ディーラーの店舗だけあって、ゆとりのスペース

店舗にディスプレイしたバギーから話が広がることも

「SOLD OUT」の文字が活発な店舗イメージを創出





取材:2012年10月04日