山梨県甲府市のとなり街、笛吹市は石和・春日居温泉を擁する樹園都市。“桃・ぶどう日本一の郷”として観光にも力を入れています。
ENEOSウイング甲府東TSは、自然に恵まれた都市内のバイパスに面した店舗です。大規模な敷地を持つSSですが、住宅地と隣接しているので、さまざまな配慮をしています。マネージャーの山内 淳氏はこう語ります。
「ご覧のように当SSは住宅地に隣接しています。私はSSの活気はあいさつにあると思っていますので大きな声で挨拶したいのですが、近隣へご迷惑をかけてしまう恐れがあります。ですから、当店では“語先後礼(ごせんごれい)”を心掛け、お客様に丁寧に接することでご来場の謝意を伝えています」
“語先後礼”とは、言葉(あいさつ)が先で後からおじぎするマナーのこと。加えて、「本日は貴重な時間をありがとうございました」等の感謝の意を添えてお客様を送り出すと言います。元気よりもあいさつの質。与えられた条件を活かすための工夫がそこに見て取れます。平日平均500台、土日にはおよそ1000台が給油に訪れる人気SSは、スタッフのこうした接客が支えています。
山内マネージャーは株式会社ENEOSウイング(本社:愛知県名古屋市)が主催する「研修塾」の第一期生。当時10支店から各1名が選抜され、半年間の寮生活で「商の心」を学んだそうです。山内マネージャーは山梨県を代表して派遣してもらったとのことで、現在の自分を作る根幹となった学びの場でした。
「セールスよりもサービス!」(販売よりも、お客様の心配をしろ)
など、マネージャーになった今も生き続ける実践的な教えが、そこにありました。
「現在も恩師が居ますが、当時『研修塾』は厳しい塾でした。しかし、そこにはさまざまな気づきがありました。マネージャーになった今、許されるものならば、更に上の教えをいただくために『研修塾』にもう一度行きたい気がします」(山内マネージャー)
山内マネージャーが学んだことは氏の言葉を通じて、同店のスタッフに拡がります。貴重な教えを含んだ言葉は、大きな波紋となって同店の規範となっています。
今まで同SSでは、給油とカーメンテナンスを中心に営業してきましたが、今後は新しいメニューとして
①キズへこみ直し
②コーティング
③車検(認証工場から指定工場へ)
が加わり、さらに利便性を高めます。特に、カーコンとの関わりが深いキズへこみ直しは、ここからクルマで10~15分離れた一宮に集中工場を整備し、山梨県内の系列店で車両の修理を行う予定です。
「これまでは『このキズは直せませんよ』で終わっていたお客様との会話が、これからは積極的に提案できます。すでにキズへこみ直しのスタッフは2度目のカーコン研修に参加しており、山梨県内におけるキズへこみ直しの中核施設として活躍する予定です」(山内マネージャー)
今までできなかったサービスが可能になった今、求められるのはスタッフの知識力。山内マネージャーからは「お客様に的確なアドバイスが出来るよう」指導がなされています。
新しい変化に胸をときめかせている山内マネージャー。新しい挑戦はすでに始まっています。
取材:2018年2月15日