タイからの3人の実習生。左:デュウさん(22歳)、タムさん(21歳)、バムさん(20歳)
カーコングランプリの常連店でもある大垣北店。常にお客様の動員を独自の視点から提案する代表取締役の相崎 憲一氏に、今回はタイの実習生を迎え入れた経緯を聞きました。
「基本的に、自分はいつもチャレンジしていたいと考えています。タイの実習生についても同じこと。カーコン本部からの案内を見て、『あっ、面白いな』と思いチェンライの視察旅行に参加しました」
参加して感じたのは、「両親想いの、まじめな好青年が多いな」ということだったそうです。この子達なら仕事も一生懸命にやってくれるだろうという期待感が高まったそうです。
2014年の採用に際して、直接の上司に任命されたのがサービスマネージャーの高橋 健児 氏。当時を思い出して、苦笑いしながらこう教えてくれました。
「突然、社長からタイ人実習生を採用することを聞きました。当時、鈑金塗装の担当は私一人だったので、私自身も実習生たちも大変でした」
その採用した人材は3年間の実習を終え、1ヵ月前にタイに帰ったばかり。
二人の顔に寂しそうな表情が見え隠れします。
高橋サービスマネージャーが振り返ります。
「彼はとてもまじめな男でした。私たちの会話やラジオからの言葉でわからないことがあればすぐに確認にくるようなタイプでした。鈑金塗装についても、私が忙しかったので見ているように言うと、メモを取りながら一生懸命学んでいました」
相崎代表取締役が続けます。
「彼はチェンライでディーラーの整備士をしていました。ですから、整備という意味では知識がある。工具の名前とか、クルマのパーツについても理解していたので、様子を見て、『これ、やってみる?』と少しずつ体験させました。こうした地道な積み重ねで、彼は自分のスキルを磨いていったのです」
同店は職場での実践教育と、プライベートの同僚としての交流を頻繁にしていたようです。
日常における日本語の勉強、鈑金塗装の修得機会を提供し、かつスタッフとしての友好関係を構築していった3年間。
二人にとっても特別な時間だったようです。
第一期実習生をタイに送り出して、高橋サービスマネージャーがしみじみと話します。
「私にとっても鈑金塗装の弟子、後輩と言える人間は初めてでした。時間に余裕があればもっと手を掛けてあげられたのにという思いはあります。しかし、私にとっては忘れることができない3年間となりました。日本の若い子と違い、彼らは3年後には母国に帰らなければなりません。彼と一緒に過ごした日々は、私自身も成長させてくれた気がします。今では、彼のことを“相棒”だと思っています」
相崎代表取締役がこう締めくくってくれました。
「現在、ウチには3名のタイ人実習生がいます。うち2名は、帰国した子がリーダーとなって育成し、スキルの伝承が行われました。そして、帰国した子との関係も、帰国すれば終わりではありません。むしろ、タイにおけるビジネス展開の先兵になることを期待しています」
日本で鈑金塗装を学んだ強みは大きいはずと確信する相崎代表取締役。
「彼には今後、カーコンタイランドの直営店でマネジメントを学ばせます。私たちもこれからは技術だけではなく、経営を教え、将来的には自分のお店を開けるようにサポートしていきたい」と今後の夢を語ってくれました。
取材:2017年6月19日