「北東北の十字路」と評される岩手県北上市。県の中心都市を貫いて東北新幹線が走り、1977年には東北縦断自動車道、1997年には東北横断自動車道秋田線が開通し、そのアクセスの良さから県下有数の工業団地が整備されています。
一般道でも東京と東北とを結ぶ国道4号線が整備されています。ロータス阿部自動車は、その国道に面した好立地にあります。代表取締役会長の阿部吉夫氏がカーコンへの加入経緯を振り返ります。
「私はディーラーの営業マンでした。結婚を契機に、当時、整備を中心に営業していた『阿部自動車修理工場』に入り、業務を拡大してきました」
前身である『阿部自動車修理工場』の創業は1962年。今年、54年を迎えた老舗です。1980年、これまでの整備主体の業務内容に、車販の要素を色濃く出し、『阿部マイカーセンター』を創業しました。
「整備中心の向上に、今後は車販も加えたい。そして、それは私の培ってきたノウハウが生かせる領域でもありました」(阿部会長)
既存のフィールドに束縛されず、時代のニーズを察知して、業務を拡大してきたのです。
「カーコンに加盟した2000年当時、中古車を中心に販売してきましたが、鈑金塗装はすべて外注に出していました。しかし、外注先の都合に左右されてしまうこと等が問題となってきました。お客様にご迷惑をかけるわけにはいかない。ならば自社で鈑金塗装も手掛けようというのが加盟のきっかけでした」(阿部会長)
現在、本店の敷地は1,500坪の広大な面積を所有します。同敷地内にあったカーコン事業部は昨年、通りを挟んだ向かいの敷地に引っ越し、より独立性を高めています。
お子さんが使わなくなったオモチャをお客様のために用意
「彼女が来てくれてカーコンのフロント業務が落ち着いた」と阿部会長が絶賛するのが、フロントを務める畠山智美氏です。
「私が入社した2年半前から、将来的にはこちらに移動して鈑金業務を進めると聞いていました。ですから、積極的に掃除をし、事務所づくりから手掛けさせてもらいました」(畠山フロント)
同店が創業50年を超えても、挑戦を止めないことの一事例です。畠山フロントが続けます。
「私は幼い時から部品や工具を見ることが好きな子どもでした。ですから、この仕事が大好きです。メーカーによって、名称等も異なりますので、調べて発注しています」
屈託のない笑顔でお客様と接する姿勢に、お客様も安心するに違いありません。
冬場には雪深く、大破・中破の修理に追われ、その合間にカーコンのお客様のクルマを修理。作業のスケジューリングが大変と言います。
また、カーコン店は商談スペースも広くは取れず、キッズスペースは設けていません。しかし、畠山フロントは、お子さんの使わなくなったオモチャや本などを持ち込み、お子さん連れのお客様に遊ばせています。
「何もわからない私がここまで頑張ってこれたのもスタッフの皆さんのおかげです。とても感謝しています」(畠山フロント) 経験豊富なスタッフによる分かりやすい説明もお客様に好評です。
本社スペース1,500坪、そしてカーコン店舗。広大な敷地を持つ本店は、最近、隣の敷地を新たに購入しました。
「具体的な使途はこれから検討しますが、お客様にメリットのある活用、地域に貢献できる活用を考えています」(阿部会長)
会長の口癖である「当たり前のことを当たり前に」を実践し、お客様ニーズに応え続けてきました。安定した店舗経営と、あくなきチャレンジスピリット。新たに購入した敷地がどのように活用されるのかにも興味が高まります。
「地域で必要される会社でありたい」と言う阿部会長の想いは、今後も尽きることはないようです。
取材:2016年9月6日