交通の要である仙台駅から仙台新港へ続くバイパス沿いにASANOは面しています。
社長が起こした浅野自動車から40年。整備業を中心に活動してきましたが、鈑金業の底上げのためにカーコンに加入しました。
「意外に思われるかもしれませんが、この辺りは“一見さん(新規客)お断り”の土地柄。特にクルマ業界では長くそうした環境が続きました」と話すのはフロントセールスアドバイザー(以下、FSA)の浅野真由美氏です。初めてのお客様から未収金が発生するよりは知人の紹介があるお客様を大切にしたいという考えが根強く残っていました。
「幾らかかるかは開けてみないとわからないということも当たり前のように使われていた言葉です」と専務の浅野幸雄氏が続けます。
その結果、顧客は固定化され、潜在顧客は怖くて行けないクルマ業界という風潮が長く続きました。それを打破したのが全国的な知名度を持つカーコンの看板だったのです。
「オープンの時から新規客の7割はカーコンが連れてきてくれました。そのお客様を整備や車検にまで広げ現在の土台を築いています」と幸雄専務はカーコンの新規顧客開拓力を高く評価しています。最近ではインターネットを見たお客様、特に女性のお客様が増えていることを実感しています。
「先日ダイハツの軽自動車タントを見る機会がありました。両フェンダー、リアゲートの大部分がFRPでできており、“叩けないクルマ”というイメージを持ちました」(幸雄専務)
つまり、キズへこみができた場合には鈑金するよりもパーツを変えた方が安くて簡単という車種も増えてきたのです。
鈑金業界の実情を真由美FSAが続けて教えてくれました。
クルマの進化とともに、鈑金に求められる技術も変わっています。そして、お客様は「すべての状況下においてカーコンならディーラーよりも安いはず」という思いこみがあります。しかし、お客様のご要望に応え、品質を担保するためにはきちんとした見積りができる能力は欠かせません。それはクルマが進化し、それに対応する鈑金・整備のあり方が変わっても変わることがない大切な能力なのです。
新技術の習得には積極的に取り組む
同店はお客様のニーズに対応できるように新技術の習得に積極的です。
「カーコンやその他の機関の技術講習にも積極的に参加するようにしています。去年はスキャンツール認定も取得しました」(真由美FSA)
国産車、輸入車、トラックまで対応できるスキャンツールを揃え、2台のスキャンツールを活用して、お客様の要望にこたえています。
「一見さんお断り」の土地柄ですがここASANOではお客様に、家庭菜園で採れたばかりのきゅうりをお裾分けするなど温かなおつきあいが続きます。一度できた人間関係は何よりも大切にする店舗とも言えるのです。
取材:2014年07月03日