店舗リポート

鈑金・修理を外注することも、外国車の販売店が多い通りでコンパクトカーを売ることも、すべては卓越した経営センスから。

カーコンビニ倶楽部 アクティブコレクション港北ニュータウン店
所在地 横浜市都筑区仲町台5-1-8
オープン 2005年
スタッフ 6名(FA=2名、販売=2名、洗車=1名、事務=1名)

長瀬隆史 代表取締役

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無類の車好きが高じて、学生起業家としてスタート。

開港150周年を記念し、例年以上の賑わいを見せる横浜。その市内北部に位置する都筑区は、港北ニュータウンがあることで知られ、20万人近い人々が暮らす一方、農家の数も少なくはなく、横浜ブランド農産物として小松菜、ほうれん草などが積極的に生産されるなど、利便性と自然がほどよく調和し、横浜市の中でも住みやすく、人気エリアのひとつです。

アクティブコレクション港北ニュータウン店があるのは、神奈川県藤沢市の湘南台と横浜市青葉区のあざみ野をつなぐ、横浜市営地下鉄ブルーラインの仲町台駅から徒歩2分という好立地。車でも電車でも便利なロケーションにあります。

代表取締役の長瀬隆史さんは学生時代から自動車好きで、先輩の車を譲り受けて自分で乗ったり、知人から購入した中古車を友人に売ったりするうち、大好きな車が仕事になればいいなと将来を思い描き、本当に実現にこぎつけた行動派経営者です。
「最初は知り合いから、駐車スペースの一角を借り、仕入れた車をほんの数台置かせてもらうというスタートでした」懐かしそうに語る長瀬さんは、どこにも弟子入りせず、一度も就職せずに事業を始めた、昨今の起業家ブームの走りのような方です。

外注先との信頼関係があるから、お客様をお待たせしない。

学生時代から自動車ビジネスにかかわり、販売店等での修行をされていない分、経営者としての経験も豊富で、これまでいろいろ試行錯誤を重ねてこられました。

そのひとつが、鈑金・修理の外注化。社内で鈑金・修理まで請け負っていた時期もありましたが、長瀬さんは鈑金・修理に関する窓口業務を行い、実作業は外注先にお願いするサテライト店ビジネスを選ばれました。とはいえ、ただ外注すればいいということでなく、鈑金・修理についての説明をお客様がご納得されるまでして、ご理解いただいてからお受けするため、鈑金・修理専任の受付スタッフをひとり置いています。

「月にこれだけの数、必ず鈑金・修理を出すからうちの仕事を優先的に引き受けてもらう、といった話を外注先としてあるので、お客様が修理に来られた際、仕上がり日を確認するために外注先といちいち連絡をとらなくなくても済むのです」といった工夫も、少しでもスピーディに対応することで、お客様の貴重な時間をムダにしないためのアイデアです。鈑金・塗装を外注すること自体をプラスにとらえた、攻めの姿勢のサテライト店といっていいかもしれません。このお客様を第一に考える姿勢と仕上がりのクオリティからか、事実、鈑金・修理は同社の売上げにとって、極めて重要な割合に達しています。

気軽にご来店いただき、どのお客様も分け隔てなく。

アクティブコレクション港北ニュータウン店のもうひとつの柱は、コンパクトカー(未使用車専門)の販売です。店頭には大きな看板がそびえ、そこに「99.8万円均一」の文字。これは強烈なインパクトがあり、前の道路を走るドライバーの目は思わず吸い寄せられます。特に「99.8」という数字が目に飛び込んでくるのですが、100円ショップに入るくらいの気軽さで来ていただきたい、という狙いのようで、取材中も次々に来店されるお客様を目にし、この戦略は見事に功を奏していると確信しました。さらに時代性を考慮し、最近は「89.8万円均一」「79.8万円均一」の未使用車も店頭に並べられるなど、お客様サービスに余念がありません。「うちが儲かればそれでいいということではなく、どのお客様に対しても、常にベストなご提案を心がけています」と長瀬さんは胸を張ります。

また、同店はこんな部分にもこだわっています。それは、ご来店いただいた方すべてに、地元のお菓子を差し上げ、夏場はお子様にアイスクリームなどをお出しすること。商談の後でなく、ご来店されてすぐ、洋菓子店のクッキーを差し出すと、たいていのお客様が驚かれます。ご成約されたらプレゼントして、そうでなければ進呈しないということだと、お客様を選別しているようにも受け取られかねません。そうでなく、ご来店直後にお渡しすることで実際に好感を持っていただけ、その結果、ご成約率もぐっと上がったそうです。

2台目・3台目を購入されるリピーターのお客様が少なくないのも、この分け隔てない接客姿勢の賜物かもしれません。

取材:2009年7月14日