店舗リポート

生き残りをかけて鈑金修理のプロ集団が
競合する中、フロント力で他店との差を図る!

カーコンビニ倶楽部 R17深谷店
所在地 埼玉県深谷市原郷31
オープン 2001年
スタッフ 11名

R17深谷店の詳細はこちら

フロント 村田尚弘氏

ーコンカーリースに力を注ぐのは「転ばぬ先の杖」

池田自動車工業株式会社が運営するカーコンビニ倶楽部「R17深谷店」は、中山道から三国街道へとつながる国道17号沿いに店舗を構えています。今から23年前の2001年にカーコンビニ倶楽部としてオープンした同店は、カーコンカーリースがスタートするとすぐに取り組み、関東でも屈指の販売実績をあげている店として注目を浴びています。なぜカーコンカーリースの販売に力を注いでいるのか。埼玉県でトップクラスの販売を維持し続けるポイントはどこにあるのでしょうか。カーコンカーリースの販売を担当するフロントの村田尚弘さんにお話を伺いました。

かつては、鈑金塗装の見積もりの際に、『いつできますか?』と訊ねられると、『すみません、1カ月半後になってしまいます』ということがよくありました」と村田さん。
でも今は、1週間先の予定が埋まる程度の混み方だと話します。
「もちろん、それでも十分忙しいのですが、先々のことを考えれば、鈑金塗装の大きな柱だけに頼るのではなく、売上の柱になる分野をいくつも作って伸ばしていかなければなりません。カーコンカーリースの販売に力を注ぐのもその一つなのです」
自動ブレーキシステムなど、車の安全運転機能の進化はまさに日進月歩。2000年の追突事故発生件数は27万6911件でしたが、2020年の追突事故の発生件数は9万5520件と、約3分の1に激減しています。
「事故が減るのは良いことですが、車の修理を生業にしている側から見れば、諸手を挙げて喜んではいられない事態です。仕事がなくなってしまうわけですから。車両の追突事故が1台減れば、私たちの仕事は2台減ってしまう。追突事故だけで考えれば、減った事故数の倍の台数の車両の修理がなくなるのです」
転ばぬ先の杖の1つがカーコンカーリースだったわけです。カーコンカーリースがスタートすると、ほぼ同時に同商品の販売に力を注ぎ、多い時は月に3台のご成約に結びつくこともあるそうです。村田さんは、カーリースを担当しているフロントとして、どんな接客をしているのでしょうか。

赤と黄の二色でカーコンカーリースのアピールもバッチリ
店舗全体をカーコンカラーにして、カーコンカーリースをアピールしています

注・販売に結びつくかは、フロントの応対力にかかっている

「特に接客のコツのようなものは意識して行なっているわけではありませんが、うちの池田代表からよく言われることで特に心がけているのは、お客様のご年齢と、男性・女性の性別によって言葉遣いを含めて気をつけるようにしていることです。自分の父親・母親世代のお客様には、当然ながら今時の若者がするような言葉遣いは絶対にNGです。逆に、若いお客様に丁寧すぎる言葉遣いで応対すると堅苦しくなってしまって話が弾まなくなるので、失礼にならない範囲で冗談やユーモアも交えてお話しさせていただくようにしています」
実は、20年近く前は村田さんも「R17深谷店」のお客様の側だったそう。
「当時、すでにこの店はカーコン店で、たまたまカーコンの看板を見て来店しました。『ヘコんだらカーコン』のイメージは、昔も今も根強いですからね。その時に池田代表に応対していただいたのですが、軽妙な会話のやりとりと、ユーモア混じりのプレゼンがあまりにも楽しくて、すぐにこの店のファンになってしまいました。鈑金修理の場合、形のあるものではなく、まだ目に見えていない技術にお金を払っていただくことになります。そこで、お客様が納得して私どもに任せてくれるかどうかは、入り口であるフロントの応対力にかかっていると思います」

お客様が安心して車を預けられるために、常に清潔さを維持している鈑金・整備のピット
鈑金と整備のピットは、お客様に安心して車を預けていただくために清潔さをモットーにしているそうです。

ーコン本部と連携したIBCJ(買い替え意向度判定システム)も活用!

鈑金修理の応対で培ったきめ細やかな接客に加えて、カーコンカーリースの販売では、既存のお客様に対して、カーコン本部と連携したIBCJと呼ばれる車の「買い替え意向度」を判定するシステムも活用しているそうです。
「毎週、車検満期のお客様に絞って、1カ月半くらいに前に買い替えの提案をするなどアプローチをかけています。買い替え意向度が低いと思われるお客様に対しては、車検を獲得する方向で動くようにしています」
カーコンカーリースの商談をする際に、商談スペースからすぐ見える位置にクルマのカタログをまとめて展示していて、「こんなクルマですよ」と、すぐにお客様に提示できるようにしていたり、納車の時のお客様の笑顔の写真を壁に展示するなど、細やかな気遣いと工夫が店舗の中には溢れています。
また、店舗の入り口にもお客様が喜ぶ工夫があります。ウエルカムボードが設けられていて、本日来店予約のあるお客様の名前が記されているのです。来店されるお客様にとっては、自分の名前が書かれていることに特別感を抱き、嬉しさを感じるのではないでしょうか。細やかな気遣いを形にすることこそが接客の極意なのかもしれません。

大通り・生活通りの両方でカーコンであることをアピール
店舗は、国道17号と生活道路にはさまれる形になっていて、生活道路側でもカーコン店とカーコンカーリースをがっちりアピールしています。

修理事例に力を入れているのも強み!

新規の集客を増やすためにネットの「修理事例」にも力を入れています。事例紹介は20209月からスタートしましたが、当店のホームページの閲覧数は、その年の上半期1月〜6月は1858件だったのに対して、事例を始めた下半期7月〜12月のページ閲覧数は3682件とほぼ倍増しています。ちなみに、事例の数を増やしていった翌年2021年のページ閲覧数は1万件以上にのぼっています。
「問い合わせも増えています。ただ、それで来店していただいた新規のお客様を逃さずリピーターになっていただくことが肝心。それができるかどうかは、最初の入り口であるフロントの接客に全てがかかっているのです」
長く続いている鈑金屋であれば、ちゃんと修理ができて当然のプロ集団。その中で、仕事に結びつくかどうかのカギは接客の良し悪しが握っているという村田さんの言葉に、改めてフロントの力の大切さを感じました。

ウエルカムボードは、ワンポイント上の接客を心掛けている証です。
店舗入り口には、本日来店予約のお客様の名前が記されたウエルカムボードが設けられていて、接客の工夫が伺えます。

取材:2023年1月27日